period 5
「ふぅ、結構な情報が集まったな……」
資料室に籠って約3時間、ここにはたくさんの種類の資料が保管されていた。まだFランクと言うこともあって閲覧できないものもあるがそれでも魔物大全、植物大全、スキル一覧等のゲーム進行に役立ちそうなものから世界の成り立ちとか貴族の作法等何でここにあんの? と思わないでもない物まであった。
それを興味をを片っ端から読んで記憶した。これでも俺は速読が結構得意で400ページくらいなら30分で読めるからこの3時間で8冊ほど読みきれた。
魔物大全は名前の通り現在確認されている魔物の名前と姿絵、そして攻撃方法や特性が記されていた。
俺はここ周辺で出そうな魔物を重点的に覚えた。高レベル地帯の魔物はうろ覚えだがまたこれば良いだろ。
植物大全は現在確認されている名前と姿絵、その植物の特徴と効果、その植物と類似した草の紹介がされている本だった。
シンメ草やシンメル草も乗っていてこの薬草はシンガ草やシンネイ草と言う猛毒を持った草と似ているので注意とあった。
俺はメッセージで確認できるから良いけどそれが出来ない先住民はなぁ~。
スキル一覧はなんとスキル名と効果、アーツに解放条件が書いてあった! これは片っ端から覚えていつか全てコンプリートしたいな!
世界の成り立ちでは意外なことに俺達の設定がわかった。
最高神にして創造者の アランウェル は長い時間をかけ2つの世界を創った。
1つ目の世界はthe earth 。
現地人に地球と呼ばれる アランウェル が1柱で創った唯一の世界。
ここは数多く生息する動物のなかで人間種が目覚ましい進化、成長を遂げ文明を築き上げた世界。世界を管理するために大量の神が作られ、名前は違えど色々な地域で語られている。
2つ目は剣と魔法のアランクル。
創造者 アランウェル が世界管理の為に創り出した12柱によって作られた世界。
嘗て高度な文明を築き上げていた12柱の眷属を殺す可能性を持った科学魔導兵器の開発により創造者ヤハウェの怒りを買い滅ぼされた世界。
科学の進化を制限し、一定の水準を越えて危険思想を持った存在を魂から消滅させるシステムが組まれた世界。
the earth―始まりの世界。原初世界。救世者は全てここより訪れる。
スピリッツワールド― 地球の古人達の思想によって生み出された異形達の住まうthe earthの属世界。存在するモノ達は実体ではなく、幽体、妖体、精神体、概念体を持つ。
2つの世界に影響を及ぼし、魔物や精霊等人為らざるモノを供給している。
スピリッツワールドは更に四つに分けられている。
幽体、幽霊やゴースト等と呼ばれる存在が跳梁跋扈する下層。
妖体、妖怪や妖精、鬼等と呼ばれる幽体の上位存在が住む中層。
精神体、主に精霊がいる上層。
そして概念体、ヤハウェの創った12柱の神が元になって生まれた下級、中級、上級神が佇む最上層がある。
それぞれがそれぞれの社会を構成している。
剣と魔法のアルフェント―一度 アランウェル により一度滅ぼされたがその後の制限つきで再生された世界。
現在星に異常が起き、龍脈から魔素を大量に地上に吹き出しているせいで魔物が徐々に活発化しておりこのままでは数十年後には星が崩れて世界そのものが壊れる。
今回の原因が地上の人種族を一度滅ぼしたせいだと判明し、神々は直接世界に干渉することを止めると誓い、直接干渉する以外の手を考えた末the earthから救世者を連れてくることにした。
というのが俺達の設定でそこから予想されるのは龍脈から吹き出る魔素を止めろ。とかそんなのだろう。
この情報は掲示板にリークしておこう。
多分グランドクエストに関連してるだろうしな。
貴族の作法はここではこうすべき、こういった場合はこう。みたいなのがずらっと書かれていた。
ここでは切りも良いので資料室からでようか。そろそろ宿も探さないとな!
確かこの世界での2日が向こうでの一日になるから夜になったら一回ログアウトして向こうで栄養をとらないといけない決まりになっている。
だから早めに宿をとらないとプレイヤーで満室になって野宿することになる。それは嫌だからな!
サーシァにおすすめの宿を聞こう!
下に降りるとカフェ兼酒場に溜まっていた冒険者が視線を向けてくるがすぐに目をもとに戻す。
だが受付の方から向けられる数人の視線は戻らなかった。
ん? と思い受付の方を見てみると疑問は解決する。
あぁ、プレイヤーか。漸く中に入れるようになった人が出てきたか。
黙礼してサーシァの受付に入る。
「あら? どうしました?」
不思議そうに首をかしげるサーシァに苦笑いしながら答える。
「あ~……おすすめの宿を聞きたくてね。 何処か良いとこ教えてくれないか?」
「そうですね……それでしたら猫の雨宿り亭がお勧めですよ! ギルドから5分くらいの宿なんですよ! 立地は路地裏なので悪いんですけど部屋が防音になってるんです!」
「そ、そうなのか……ならそこにいってみるよ」
すごい勢いのサーシァに若干引きつつ書いてもらった地図を頼りに猫の雨宿り亭に向かう。
「おっ、これ? 見た目も清潔だな」
「嬉しいこといってくれるじゃないの! 泊まりかい?」
「うわっ!」
思わず呟くと後ろから声をかけられて跳び跳ねるように後ろを向く。
「なんだい? そんなに驚いて!」
「いや、突然声をかけられたからな……貴方はここの女将さんか?」
恰幅のいいおばさまはにっこりとして「そうだよ!」と答える。
そのまま中にはいるとカウンターについた女将が紙を俺に渡してきた。
「ここは一泊100Fだよ。飯と湯付きなら150F、更に弁当付きなら200Fだよ」
「そうなのか。結構高いのか?」
「そうだねぇ、サービスが他の宿よりいいからね他の宿よりランクは少し高くてHNランク宿なんだよ。だから値段も多少張るさね」
ほかの宿はサービスが悪いのか……じゃあ当分ここでいいな。結構な大金も手に入れてるし。
「じゃあ弁当付き一週間分で頼む」
そう言ってステータスカードを差し出す。
「あら貴方冒険者だったのね。それならFランクだから一割引で……はい、1260Fね。毎度あり! それにしても常連じゃないのにこんなところに来るなんて変わってるね、貴方」
そういわれたのでサーシァの事を話すと女将は目を見開いて驚いた。
「まぁ、あの子ったら、ご免なさいねぇ。どうも新規客がいないから宣伝しようとしたんだと思うわ」
「は? なんでわざわざ?」
「え? 聞いてないのかしら? サーシァは私の娘だよ。部屋はこの建物の3階さね。」
「まじで!? し、しらんかった……ま、まぁ。良い宿紹介してくれたからいっか」
驚愕の新事実に顎が外れかけるがこれだけ質の良い宿を紹介してくれたんだし文句はない。
あらあらまあまあまあ。とにやつく女将さんには甚だ疑問を覚えるが部屋鍵を貰ってカウンターをあとにする。
「あ、夕食は夕方の6時~8時、朝食は朝5時~7時までに来ないとないからね!」
「りょーかい。ありがと」
そう言って部屋に入る。
「さて、とりあえずステータス確認したら街の外でもう一狩りだな!」
ステータス
name [オウヤ]
年齢 [18]
種族 [ヒューマン]
JOB [未定]
レベル[8]ステータスポイント 20→0
HP 202/202 (レベル×20+VIT×6)
MP 108/108 (レベル×10+INT×4)
STR 10
VIT 7
INT 7
DEX 10
AGI 11
スキル[5](+2)
短剣[N]19/100 察知[N]16/100 隠れ身[N]12/100 読書[N]0/100 new! 鑑定[HN]0/300new!
解放済みスキル
無し
【読書】 解放条件:休憩無しで2000ページ以上本を読むこと。
読む早さが少し早くなる。
【鑑定】 解放条件:魔物大全と植物大全を完読すること。
アイテムの特徴や効果が可能になる。
人物鑑定は不可。
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