昼休みに
更新ペース遅いです、ごめんなさい!
26日あたりから休日になるので毎日更新できると思います。
学校についてしまえば、あのリア充な雰囲気だって改善される。昼休みは彼女さんのほうは放送部だから一緒に食えないし、俺は章と一緒に、食事ができる。
だから俺は毎日、難しくて必死な授業にくらいつきながら昼休みまで乗り切っていた。
「あれ…?」
異変に気がついたのは、四時限目の体育が終わって教室に戻ってきたときだった。サッカーでひざをすりむいた俺は少し遅れて戻ってきた。
「俺の弁当…どこだ……?」
かばんの中を漁ってもどこにも見当たらない。
いや、かばんの中が、物色されたみたいな跡を残してる。
俺は嫌な予感がしていた。
「おーい、元也!さっさと昼飯行こうぜ!」
隣のクラスの河野が入ってきて俺の肩を叩く。「あ、あぁ…」といいながら俺はふと前で机を固めて食事をしている女子生徒たちのほうに視線をやった。いや、それに他意はなかった。ただ、視線を上げたら自然とそちらが見えるだけの話だ。
それなのに、彼女達は俺と視線があった。それだけじゃない。少し気まずそうに顔を見合わせて、不自然に視線を逸らした。
思春期男子にガン見されてる…という感覚で逸らしたわけじゃなさそうだった。
「おい、元也ー?」
「ん…わり、なんか弁当がみあたんねぇ」
「…は?」
訝しげな視線を送られていることは承知だが、俺は女子生徒たちのほうを見ていた。…何か、嫌なことを知っている気がして。
「……しゃあねえ。さっさと購買行こうぜ?章が待ってるし」
河野の言葉に止めていた動きをやめ、急いで財布を取り出した。
購買で急いでパンをかい屋上へ行くと、もう章が昼飯を食べ始めていた。
「わりー、遅くなったわ」
「ん?あぁ…いいけどさ、お前今日は弁当じゃねえな」
目ざとく見つけてくる章に俺は思わず苦笑で返した。
河野がおにぎりのビニールを剥がしながら説明する。
「なんかさ、元也の弁当見当たんないんだと」
「…はぁ?持ってきたのか、お前」
「持ってきたはずなんだけどなー」
「…おい、それ誰かが盗んだんじゃ」「やめろよ、疑うのなんてさ」
苦い口調でそう言ってきた章を、思わずさえぎっていた。
そんなことを言ってしまえば、本当のことになってしまう気がした。
上手く、この学校で溶け込んできたんだ。今更そんなくだらない容疑を皆にかけて嫌われたくはない。
「…まぁ、いいけど。
でも、なんかあったら言えよ?」
優しい奴だ。そこに恋愛感情がないだけで、俺のことはきちんと見てくれている。
朝、一緒に行かないことにした、と言った時に少し寂しそうな顔をして、「分かった」といったときも思った。
自分から離れていってるはずなのに、昼ごはんとか…離れ切ることができない自分が恨めしい。優しさに触れれば触れるほど辛くなってくる気がした。
「ま、たまにはパンもいいし!」
おどけたようにそういって顔を背けた俺は、章と河野がどんな表情をしているのかを見ることが出来なかった。
ちょっとフラグ?次からは展開が少し速いです。ごめんなさい!
不道徳描写も入るかもしれませんがそのときには前書きでご連絡します。
よろしければ感想等お願いします!