大晦日!
本編完結…しましたが番外編です^^
丁度30日に終えることが出来たので大晦日をアップしました。
いちゃいちゃです^^
「章、もうすぐだから早く!」
テレビを凝視しながら、俺は風呂からあがってキッチンでお茶を飲んでいる章を呼んだ。
「はいはい、分かったよ」
苦笑しながら近づいてきて、章は俺を抱きしめてくれる。
今日は大晦日だ。
俺たちの親どうしも幼馴染同士なので仲のいい5人(俺の母親、河野、章のそれぞれの両親)は温泉に行ってしまった。
なので俺は恋人になってはじめて章の家に泊まることとなった。
本当は河野もここに来ることになっていたらしいのだがまぁイロイロあって恋人同士で…
「リア充どもと一緒にいれるか!」
そう言って笑っていた河野を思い出す。
確かに、色んな人に「甘々カップル」と評されるようになったけどね…。
「元也、何考えてる?」
そういわれて上を見ると、タオルを肩にかけライトに濡れた黒髪がキラキラと光っている章がいて。
「俺…幸せ……」
思わずそう言っていた。
俺のちょっと甘えすぎな気もする声を聞いても章は嬉しそうに笑ってくれるだけなのでやっぱり章が恋人になってよかった。
「今年、さ。色んなことあったよね」
「あー、ホント……こんなに濃い一年は今までで経験したことない」
俺が虐められて。章の元彼女がその首謀者で。
そのほかにも色んなことがあった。
新しい友人ももちろん出来たし、貴重な出会いもあった。
幼馴染達との関係性もちょっとずつ変わってきた。
片思いは成就した。
「来年は…どんな一年になるのかな……」
「幸せすぎるくらい幸せな一年になるよ、きっと」
だって俺がお前のそばにいるから。
そう囁かれて顔が火照ってしまう。
恋人になってちょっとは時間が経ったとはいっても俺の片思いの期間と比べるべくもない短さなのだ。
どうしても…こんな甘い声を出されると気恥ずかしい。
「ふっ……そんなに困った顔されると俺も困るよ」
「だって…」
言い返そうとした瞬間、TVの音がひときわ大きく俺たちの耳に飛び込んできた。
そちらを向くと、芸能人達や歌手達がカウントダウンを始めている。
10、9、8… 今年はもうこれで終わりなんだ。
5、4、3、2……
章をみて一年を終わろうとした瞬間、唇に熱いものを押し当てられる。
TVがにぎやかな音をBGMとして流している中、章の家は静寂に包まれていた。
数秒間押し当てられた章の唇が離れていく。
章は不敵な笑顔を浮かべて俺を見た。
「これで去年の最後のお前も今年の最初のお前も俺のものだな」
「…ばっ」
みるみるうちに恥ずかしさに俺の顔が熱くなっていく。
こんな…こんなプレイボーイなことをするなんて聞いてない!
恥ずかしくてうつむいていると、その頭に章の大きな手をのせられる。
「元也……絶対、俺がお前を幸せにするから…」
「…ばか、プロポーズみたいなこと言ってんじゃねぇよ…」
いよいよ顔を上げられなくなってきた。
ちらりと一瞬章の顔を盗み見ると、章の顔もちょっとだけ赤くなっていた。そのことにちょっとだけ安心する。
「章…」
「何?」
「好き……」
「元也っ?」
章のうろたえた声が聞こえる。
俺は含み笑いを浮かべつつ、章のベッドにもぐりこんだ。
「なっ…お前……不意打ちはひきょうだっ」
章の声がいとしい。
自分からキスするのは案外サプライズとして有効なんだな…。
なんて、こんな風に特別な日にしかキスはしないけど。
自分も真っ赤になった顔を章の布団を引っ張り上げることで隠しながらそんなことを思っていた。
今年も、章と一緒にいられればそれでいい。
お読みくださりありがとうございました。
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それでは皆さん良いお年をお迎えください^^