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イヤイヤランニング

作者: 片栗子

テーマ:秋のダイエット

今日の夕飯はさんまの塩焼きだった。

新物の、あぶらののったおいしそうなサンマ。

焼きたてのそれと、てんこ盛りのごはんがミキの前においてある。

湯気が出ておいしそうだ。

しかし、ミキは複雑な表情でそれを見るだけで手を付けようとしない。

「冷めるぞ、早く食えよ」

向かいに座っている哲也が溜まらず声をかける。

「ミキ、ダイエットするってきめたの」

「なんで」

「太って来た」

「かわってねーって」

「でもおデブになったら困る」

「おデブ………でもお前好きだろサンマ」

「大好物です!」

「じゃあ食って運動すれば?」

「いや!」

「なんでよ」

「ミキ運動苦手だもん!運動神経ないし!」

「でもそうしないとやせないじゃん」

「だから食べないの!」

「そっか。いやあ、このサンマうめえ」

「……」

「ほら、いきなりキツイのやんないで軽い運動からやればいいじゃん。ストレッチとか、あ、踏み台昇降とかやればいいじゃん。階段で」

「ダメだって。動いたら呼吸困難になる」

「じゃあ、筋トレは?ゆっくりやれば逆に運動効率が上がるらしいぞ」

「えー、なんでそんなに運動させたがるの?」

「ほら、ちょっと腹筋のキツイやり方教えるから横になれって。俺これでけっこう筋肉着いたんだよ」

哲也は言いながら席を立ち、ミキの腕を掴もうと手を伸ばす。

「い、いや!」

ミキはそれを避ける。

「ほらいいから……」

哲也はそれでもミキに追いすがろうとする。

「嫌だって……。てっちゃんミキが出来ない姿見て笑おうって魂胆でしょ!」

「いやいやそんなことは……」

図星である。

哲也はことあと味わえるであろう優越感を想像してたまらず顔を歪ませた。

「ほらやっぱり!」

「いやいや、俺そんなに性格悪くねえよ」

嫌らしい笑いが一層深くなる。

「もう、てっちゃん嫌い!」

そういって、哲也から逃げるためミキは部屋を飛び出した。

哲也はすかさずその後を追いかける。

「逃がすか、運動しないとダイエットできないぞ!」

「いやあーーー!!」

叫びながら全速力で逃げるミキ。

逃げ場がなくなったのか、急いで靴を履いて玄関のドア開いた。

門を出て一目散に走り出す。

「ふふ、逃げられると思うなよ」

不敵な笑みをたたえながら哲也が逃げるミキを追う。

持久走だけは自信がある哲也は目を爛々と輝かせている。

「きゃあーー、来ないでーーーー!!」

そう叫びながら走るミキを追いながら、哲也はふと気づいた。

(これ、運動になってね?)

気付けばもう家から500mほど離れた公園の前まで来ていた。

ミキは相変わらずイヤイヤと叫びながら走っている。

哲也は走りながら考えた。

ここまで来たら引き際もよくわからないし行けるところまで行ってやるか。

「逃がすかっ」

言いながら哲也は足を速めた。

「いやあ!!」

ミキも速度を速める。

実は俺は結構いいやつなんじゃないか。

そう思いながら哲也は幼馴染との不思議なランニングを続けてやることにした。

あとで思いっきり感謝させてやろうと思いながら。

反省点

・こまごまと言い回しに首をかしげる部分が

・哲也が運動の話題を出してくるところが不自然か

・哲也の謎の押しの強さが不自然かも

・ミキがなんか理不尽でごめん

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