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「悪い、大谷。ちょっと用事だ」

そういって田仲朋也は席を立つ。

「おい、一限の火器防衛まであとあまり時間ねぇぞ?」

「大丈夫、すぐ戻る」

その言葉に大谷貴明はいつものように片思い相手に話し掛けに行くのだと当たりを付けた。

しかし、田仲朋也はその片思い相手の横をすり抜け、廊下に出てしまった。

「なんだあいつ?」

大谷は疑問に思いながらもロッカーのデバイスを使って手元にP90のレプリカを取り出す。




「貴女は誰ですか?」

田仲が話し掛けた相手は自分の秘密を知る者であった。

しかし、隠さねばならない事である以上、知り合いとして扱うことはできない。

しかし女はその言葉を黙殺し、玄関から外に出てしまう。

不意に、携帯が震えた。

『From:――

 Title:明日の夜

 本文:天の下  』

そのメールを確認した田仲はそのメールを消去し、教室に戻るのだった。



「お、何だったんだ?」

田仲が帰ってきた事に気付いた大谷は、プロテクトを着ける手を止めて話し掛ける。

「ちょっと、な」

それだけを言ってロッカーに向かう田仲が、それ以上の詮索を拒むように見えた大谷はそれ以上訊かずに再びプロテクトを着ける。





そのまま二日が過ぎようとしていた。

田仲はその夜、昔やんちゃをしていた頃にたむろしていた廃倉庫の中にいた。

そこには、先日の女もいた。

「それで、先日はどうしたんすか、野良さん?」

「いやね、そんな他人行儀な呼び方。昔みたいに野良猫と呼んでくれない?」

「テロリストと仲良くだなんて出来ません」

「つれないわね、それによく言うわ」

一息。

女――野良猫は茶化すように言う。

「貴方もそのテロリストの一員だったじゃない」

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