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人は必ず秘密を背負う。
当たり前だ。
秘密の無い人間などいない。
人はそれを無自覚に知るからこそ、自分も背負いこむし、人が背負ったものを見て見ぬ振りをする。
そんな中、秘密を背負った少年が一人。
その秘密は余りに大き過ぎた。
その秘密が世界を動かすなど、誰が想像し得ただろうか。
そんな大それた秘密をただの少年が持つなどと誰が理解できるだろうか。
そんなもの、その秘密を知っていた人にしかわからない。
舞台は西暦3018年――最もすでに西暦は核戦争により姿を消し、東暦となっていた。東暦248年――のとある高校。
東暦243年に、世界を揺るがし、また世界を一つに纏めあげる出来事が起きた。
【月墜テロ事件】
当時の日本、中国、韓国、そして米国にまで甚大なる被害をもたらし――死者643519人、行方不明352194人、怪我人1342561人、米国のホワイトハウス、日本の国会議事堂、韓国の皇居が全壊した――テロリスト【月墜】は胎動した。
「田仲、おまえ来年どうするんだ?」
「どうするんだって?」
「バカ、来年のコース選択だよ!!そろそろ決めないと担任うるっせぇからさ、今のうちに来年の面子で考えておこうかなって」
ガラッ―――。
その日、田仲朋也はいつものように登校し、いつものように雑談に耽っていた。
朝の人が多く出入りする時間だったからか、ドアが開いたことに取り立てて注意する奴もいない。
しかし、朋也の目にははっきりと見えた。
自分の片思いの相手が来たことに。
その後ろに自分の隠さざるをえない秘密を知る者がいたことに。