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「人だああああーーーーーーーーーーーーー」


「人ああああああああああーーーーーーーーーーーーー」


骸骨が口をいっぱいに開けて叫んでいる

ネクロマンサー、”ドゥルキン”だ

他の骸骨とは違う、体は赤く目に緑の光あり知能は高い

叫びながらこちらに寄ってくる


いったい何事か?、皆でそちらの方角に歩いて行く、毅は空中を滑っていく

川の上流から女が歩いてくる、重い足取りで何かを引きずりながら

ずるずる、ずるずると、縄を結びつけた板切れを引きずっている

女の姿に見覚えがある、NPC

エンドレスオンラインのNPCで何処だったかの村人

特にイベントなどもないモブキャラだったはずだ


しかし・・・・・・・・・・・・


このような行動はゲームには無かったはずだ

女が近くまで寄ってくる、長い時間をかけて

毅と骸骨たちはそれをじっと見ている


板切れの上に黒い物が乗っている、棒状の・・・干からびた・・・・

手足がある、屍だ、人の屍だ、干からびて・・乾いている

女は私の前まで来ると縄を下した


「冥府の王よ無礼をお許しください」

「私の息子が死にました、7歳を過ぎたばかりでありました

彼を生き返らせてください、死者の国の住人にしてください」


毅は困った、まず、冥府の王とは私の事なのか?

私はそのように認識されているのか?

それに死者を生き返らせる事などできない

骸骨は術者の命じるとおりに動く事しかできないし

生前の事は殆ど覚えていない


毅は女に向かって言った

「我々は死者を動かすことが出来る、しかし生き返らせる事は出来ない」


そして周りの骸骨たちを見渡して続けた

「彼らは死んでいる、死んだまま動いている、我々の魔法によって

彼らは動き、歩き、生前の行動を繰り返す事もあるが

記憶は殆どない、彼らは死んでいる、それが我々の限界だ

彼を生き返す力を我々は持っていない」


女は言った

「それでも良いのです、この子が動く姿をもう一度見たいのです

どかお願いします、この子に魔法をかけてください」


毅とドゥルキンは顔を見合わせた

ドゥルキンは言った

「断る理由が無い」


毅はうなずいた


ドゥルキンは亡骸の前に立ち呪文を唱えた

黒い物がたちこめると亡骸は二度三度と動き、そして立ち上がった

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