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「ウワーッァ、トラックがぁーーーーーーーーーーーーー!」


ドーン


つよしは死んだ


意識が消え、また、目覚めると

向こう側からシャカシャカシャカと白い物が歩いてくる


「ウワーッァ、骸骨がぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


シャカシャカシャカ、シャカシャカシャカと骸骨が歩いてくる!

ホラーである


毅は反転し全力で走る、しかし足が無い、毅には足が無い

「ウワーッァ、足が無いいいいいいいいいいいい!」


毅は空中に浮いている、滑っている、飛んでいる

砂漠の砂の上を猛烈なスピードで飛んでいる

視界がどんどん移り変わっていく


両手を動かして手を見る、手が無い、いや、ある

うっすらと手があるのが見える、動かしてみる、動く、思い通りに動く

足を見る、足は無い、胴体はある、途中から薄くなって消えている


「幽霊だぁーーーーーーーーーーーっ!」


毅は逃げようとする、しかし自分から逃げると言うのはなかなか無理がある

どこまでも”体”がついてくる

そこで毅は思い当たる、この光景をどこかで見た


エンドレスオンラインだ、あの既にサ終した低予算のチープなゲーム

そこでこんな光景を見た、俺は死霊術にスキルポイントを振りまくって

幽霊と化し砂漠の真ん中にキャンプを作って骸骨兵士たちを侍らせていたのだ


おそるおそると先ほどの場所に戻ってみる

天幕の周りを骸骨たちかうろついている、近寄っても襲ってきたりはしない

布をすり抜けて天幕の中に入る

床に散らばっているのはかつて色鮮やかなアイテムだったもの

間違いない、ここはエンドレスオンラインの世界なのである


それから数日がたった、数十日がたった、数百日がたった

毅と骸骨たちはぺたんと地べたに座りぼやーっと日々を過ごす

まったくもってやることがない、幽霊と化した毅に食べ物は要らない

水もいらない、骸骨たちも同様だ、やるべきことは何もない


砂漠の中に骸骨たちと幽霊が置いてある、ただ空を見て星を見て

登ってくる太陽を眺めて日々を過ごす

そして数十日が過ぎたか数百日が過ぎたか、雲が空を覆い

ぼんやりと薄明るいある夏の日

変事が起きたのはその日の夕方の事だ

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