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本日の敵

3ヶ月ぶり?

 今日は朝日と共に起きた。私は基本早起きで、たまにすこんと寝過ごす。

 私は朝日を浴びながら伸びをした。今日の予定を立てる。

 外は曇り、今にも雨が降りそうだ……

 すっきりした目覚めにはやはり青空が欲しい。

 私は軽くため息をつく。別に雨は嫌いではないが出歩くのが億劫になる。

 ……仕方がない。取り溜めしてあるアニメでも見るか。

 そろそろ食料を買いに行かなくてはいけない気はするが私は座敷童子、本来は食べなくても大丈夫……なはずだ。

 私はテレビの前に座り、ビデオを再生する。今回はいよいよ大詰め、生か死か。

 クライマックスを迎えたその時、画面が急に乱れ始めた。

「まさか……」

 私は側にあった対もののけ用ほうきを手に取る。対もののけ用とは霊体でも触れることができるものだ。噂では経や陰陽、呪いの効果らしいが詳しくは聞いていない……

 テレビからはザーザーと耳障りな音が発せられ、セリフが何も聞こえない。

 しばらくすると、画面から黒い物体が出て来た。私はそれをほうきで叩き引っ張り出す。

 その瞬間画面が元に戻った。 ――次回最終回!―― 最悪だ。

 私は手につかんでいるてきを見た。

 黒髪は腰の所で切り揃えられ、前髪もパッツン。彼女は私と違い、型にこだわって着物を着た子供の姿をしている。

 名前は凪子。見た目を大きく裏切って私より100下の662歳……

「おい…凪子。起きろ」

 返事はない。

 私は軽くため息をつく。実はこの凪子はまだ夢の中。いわゆる夢遊病だ……座敷童子のくせに一人前に病気になっている。

「凪子、いい加減目を覚まさないと外に吊すよ」

 私は凪子を強く揺する。

「う…ん?……もうちょっと寝る…」

 さすがの私も頭に来た。凪子を振り上げ、対もののけ用座布団に叩き付けた。

 ばふっとほこりが舞い上がり、凪子は跳ねた。

「いっ、たーい!」

 凪子がガバッと起き上がる。

「起きたか夢遊病」

「……沙夢さゆちゃん。あれ?私はいつの間に?」

 凪子はキョロキョロと辺りを見回す。

「今、テレビから出て来た」

 座敷童子は物質を通り抜ける。だからわざわざテレビから出る必要はないのにこいつは毎回テレビから家に来る。

「あー……またか」

 凪子はよくあることなのであっさり納得。

「凪子のせいでアニメ最後まで見れなかったんだから。一緒に見なさい」

 というわけで、凪子も強制的にアニメ観賞。

 実はこれは私のアニメ文化普及活動の一つだ。

 目下の目標は凪子を仲間にいれること。

 結局3時間ほど経つと凪子は寝てしまったが。

 まぁ、寝たらそのまま帰ってくれるのでよしとする。

 今度座敷童子が出て来るアニメでも探してみようかな。

沙夢のような生活っていわゆるニートでしょうか……

働いてないけど大家だしなぁ……うらやましい

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