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僕の彼女は二次元   作者: 松武 重男
6/8

僕の彼女は二次元 6



6話



僕の手にまだある相染さんの手の温もり…

初めて、異性と手を繋いだ



相染さんの手…小さくって、柔らかくって、温かかった…。



今夜の出来事が嬉しかった。


まるでデートをしたようで…



夢のようでドッキリじゃないかと思ってしまう程信じられなかった。



僕の家へと向かうまで、体が何かフワフワした感じで歩いていた。


酔っぱらっちゃたかな…



玄関を開ける


「お帰りなさいませ秀平さん」


チャイ・レイのスピーカーから出る声がした。


「ただいま…」


「ご飯が出来てます」


あっ、そうだった…ご飯は要らないと言っておけば良かった…


また、弁当に詰めておくか。


風呂からあがり、リビングのソファーに座る

ふっと、僕の右手に相染さんの手の感覚が蘇る…しばらく右手を黙って見たいたその先にチチャイ・レイが立っている。


僕の指示が無ければこのまま立ち続けているし、時間の指定で家事をこなしてくれる。


僕はチャイ・レイの元へと行き手を握った。



冷たい…



そうだよな…ロボットだもんな…


手を握っても、チャイ・レイの反応は何もなく黙って立っている


笑って話しかけて来ない…


もし…相染さんと付き合い始めたとして、この家に来てしまったら、このチャイ・レイを見た時、驚いてしまうのか…

それとも僕の技術を褒めてくれるかも…

いや、逆に気持ち悪く思われるかも…

そうだよな、お世話ロボであれば、顔なんてどうでもいいと思う。


普通のロボではなく、アニメ好きの僕が憧れてキャラクターを真似て作ったロボ、これが見ら…



壊そうかな…


壊してどうする!せっかく苦労して造り上げたのに…


それに…

まだ、付き合っている訳ではない!

ただ、手を繋いだだけで、それに友達になったばかりなのに、友達として始まっただけでこの先もまだ分からないのに…なにを考えてたのか


でも、相染さんどうして僕を友達として選んでくれたのかな…

やっぱり、岩瀬みたいな奴はガツガツしてるからダメで、僕みたいな大人しいと話しやすいのか…僕だって本当はどの女の人に話しかけたいし、ナンパもしてみたい…その度胸がない、それに僕の様な顔を選ぶ人はいないか…


岩瀬はカッコ良いからな、モテて当たり前か…

家も金持ちで二枚目、羨ましい。


イカン!僕は僕だこのまま羨ましく思っても、何も変わらない「ウン!」自分に納得させてうなずいた。



月曜日…


何も変わらない休日を、チャン・レイと一緒に過ごして終わった。



今日も変わらず仕事へと出掛けた。


会社の入り口付近、相染さんの後ろ姿が社内に入るところだ…


おはよー相染さん!…と、声を掛けよっか…

それとも…この前は楽しかったね!…は、ちょっと近々しいかな



ちょっと小走りで近づいて行くと


「相染!おはよー」


岩瀬…


「なぁ~今夜暇?」


「ごめん!私、予定あるから」

相染さん少し怒った様子でエレベーター脇の階段を上がっていった。


「チッ…」


岩瀬は相染さんを追うことなくエレベーターの前でエレベーターが到着するのを待っていた。


「羽貫…見てたのかよ」

少し機嫌が悪そうで、断られたことで恥ずかしいのか、僕を少し睨んでエレベーターの階数の数字を見上げていた。


僕は少し心の中でガッツポーズをした。



7話へ続く












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