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02

とりあえずこの地方の大領主様の屋敷に向かう。


謁見はできたのだけど、叔母たちが正当な手続きを踏んでいるから、できることは何もない、と。

妾になるなら力になるぞ、と厭らしい目つきで言われたので、慌てて逃げ出した。



これからどうしよう・・・。

もう1週間も無駄にしちゃったわ。


途方にくれて荒地を歩いていると、旅団と思しき一団が何かと戦っているところに出会した。

群れに囲まれてる・・・?


あっ、あれはハイウルフ!しかも大群!


ハイウルフは魔獣化した狼だ。一匹でも、熟練の兵士がやっと勝てるかというレベルなのに、それが集団化してるなんて。


私は戦うことに決めた。魔物が殺到してきたときのために、魔の森の奥で修練を積んできたもの!

実戦は初めてだけどなんとかなるわ。


私は魔力をためて、呪文とともに一気に放出した。

「聖なる閃光よ、その煌めきを持って、穢れを一掃せよ!」


あたり一帯が緑の閃光に包まれ、消え去った時には、ハイウルフの群は影も形もなくなっていた。


旅の一団は、みな言葉を無くし、口をあんぐり開けて呆然としている。




私が助けた一団は、なんとこの国の第一王子アーロン様の旅団だった。

いずれ王位を継ぐ者として、自ら辺境の地を視察してまわっているという。

なんて立派な方!しかも超イケメン!



魔法を見て驚愕したアーロン様は、私のことを伝説の聖女に違いないとおっしゃる。

そして、一目惚れしたから、結婚してともに王都で暮らしてほしいって!


私ももちろんOK、したかったけど、私には領地で魔物を封じるお役目がある。だから一緒には行けません、と伝えると、一緒に領地に行くと。


アーロン様もつい数日前、通りかかった街で、辺境の新しい準爵一家の悪評を耳にして、調査に行くところだったんだそうだ。


その噂というのがヒドいもの。

準爵夫婦が強欲で、税金を10倍にしたとか、息子は女好き通り越して色狂いで、街の若い娘全て側女として差し出すよう、お触れを出したとか。


・・・親戚として恥ずかしすぎるわ!



ともかく私はアーロン様を連れて、領地に戻ることになった。

第一王子が味方になってくれるなら、これ以上の助太刀はないわ。


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