表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

「真理とは幻想である」

作者: ケケロ脱走兵

          「真理とは幻想である」


 全文ハイデガー著「ニーチェ」からの引用です。

 私の言葉はまったく無用です。



 或るものを、持続的に存立する堅固なものと言う意味において存


在的なりと表象することは、一種の価値定立である。《世界》の真


なるものを、それ自体で持続的に存立している永遠不変なるものへ


持ち上げるということは、とりもなおさず、真理を必然的な生活条


件として生そのもののうちに移すということなのである。しかしな


がら、もしも世界が不断に変遷する無常なものであるとすれば、も


しも世界が過ぎ去り行く不定なものの無常なものにこそその本質を


もっているのだとすれば、そのときには、持続的に存立する堅固な


ものという意味での真理は、それ自体としては生成しつつあるもの


をたんに固定化して打ち固めたものにすぎず、この固定化は、生成


するものに照らしてみると、これにそぐわないもの、これを歪曲す


るものでしかないであろう。正当なものとしての真なるものは、か


えって生成に即応しないことになるであろう。そうなると、真理は、


不=正当性であり、誤謬であり――たとえ必然的なものかもしれな


いが、やはり一種の《幻想》となるであろう。


 こうしてわれわれは、真理とはひとつの幻想であるというあの異


様な箴言が、そこから告げられる方向へ、はじめて眼を向けること


になる。


ハイデガー著『ニーチェ』Ⅱ 平凡社ライブラリー(1―認識とし

ての力への意志 「《生成》としての世界と生」より抜粋)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ