小説家になろうとするんですが、なにか
僕はどこでもある男子大学生だ。
現在静かで小さなアパートの中で心地よい布団に背中を預け、足を空中で揺らしながら、ラノベを読んでいる。
音楽を聴きながらニヤニヤしている。
しょうがない。読んでいるラノベはおもろすぎるから。
ところが、僕のどこかで大きいな悩みがある。
これでいいのかと。
一人暮らし、バイトなし、彼女なし、最近友達も家に来てくれない。
日々学校からの課題をやる時間を積んでいるが、少しずつ興味がなくなり、楽しく思えなくなっていく。
就職活動をしなければならない日もだんだん近づいていることがわかっているが、就職したい仕事すらわかりはしない。
しかし、趣味はある。
アニメを見たり、漫画やラノベなど読んだりするオタクの趣味。
毎日やりたいことがある(仕事除き)からこそ、僕は笑顔を浮かべられる。家族に。赤の他人に。そして、自分に。
毎日自分の趣味にかかわって、生活していくことができたらいいなぁと思って。
その瞬間、僕は思いつきました。
生活を維持するにはお金が必要だという常識は誰も知っている。僕も知っている。
今まで、僕はいつもオタクのコンテンツを楽しむ側だったが、一度も制作側はどうなっているか質問しなかった。
作る側の人たちはお金を稼いでいるじゃないかと思って。ラノベを書く人たちとっくに。
絵がうまく描けなく、アニメが難しそうと思う自分は多分ラノベぐらい書けるだろう。いいアイデアならたくさんある。
そうだ。僕もコンテンツをいっぱい作って、お金をいっぱい稼いで、ダメそうな人生に楽しい思い出とファンタジーをいっぱい詰め込めればいい。
ちょうどよく、コロナのせいで自分の家に閉じ込められ、余る時間がたまっている。
暇つぶしより、新しいことを体験するか。
僕は勢いよく起き上がって、隣に置いてある手が届くパソコンを起動させた。
小説執筆に関するウェブサイトに入って、いい文章を書くコツなど調べた。
さすがに一日でプロのレベルに及ばないのでとりあえずコツコツと気軽に書いていこう。
どうでもいい日常的な内容を。
いつの間にか夢中になった。
自分で見たことない作品を生み出す感覚はこれなのか。
独創的なプロット、変わったスィチュエイション、面白いキャラ、つまらないキャラ、。。。
ああ、なんと素晴らしい仕事だ、コンテンツクリエイターは。
でも、コンテンツを生み出しても、知っている人は僕しかいなければ楽しくない。
ですから、僕は愛用のスマホを手にして、友人を一人連絡した。
「おい、僕ラノベ書いていますよ。読んでみる?」
「なに、。。。お前はまさか小説家でも目指すつもり?」
向こうに、笑い声を抑えようとせず、僕の大事な頼みをバカにしやがって。
こいつ。。。
「そうですよ。小説家になろうとするんですが、なにか」
力をちょっと抜いたせいか、僕の声はいつもより鋭かった。
「あっ。。。いいえ、べつに文句ないよ。送ったら、読むよ」
普段と違う僕に対して、彼は呆れたようで、スムーズに話せなかった。
なんか悪かったと思うけど、まあいいか。
これからもっと書きましょう。
てへっ。