表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

部屋の中で(1)

期待しないでください。

カバンを探すため、僕は机で隠れているところや試験管がセットされた台の間等を探すため移動する。

改めて部屋を見渡すと16卓の机が4×4で綺麗に並んでいる。その上に試験管やフラスコを設置した台が置いてある。

机の大きさは僕が腕を広げるとちょうどの長さで、身長と腕を広げた長さが一緒だから、およそ170cmだ。

部屋の四方は本等を収納した棚が囲んでいる。

不思議なことにドアや窓が1つも無い。

少しの薄気味悪さを感じていると部屋の隅に僕のカバンを見つける。

近寄って拾う。開けると中にはCDと筆箱、教科書、ランチセットが入っている。

CDは綺麗な包装紙で包まれている。筆箱の中には1本のシャーペンと赤と青のボールペン、消しゴムに定規がはいっている。ランチセットも教科書も朝入れた物で間違いないはず。

出した物をカバンに入れて、辺りを見渡す。

このあとはどうしようか?

と悩んでいると ズシン、ズシン と大きな足音が聞こえてくる。

ビックリして体を強ばらせていると、不意に スンスン と何かを嗅ぐような音が聞こえる。

上だ。上の階から音が聞こえる。

何故か声を上げてはいけないと思った。机の下に隠れ、口を手で塞ぐ。

スンスン という音は止み、また ズシン、ズシン と大きな足音を鳴らしながら音は遠退いていく。

···音が遠退いだ後も僕は動けなかった。まだアイツがいるのではないかと思えたからだ。

やっと力を抜いて机の下から這い上がると僕は色々なことが怖くなってしまった。

今さっきの音は人には出せないはずだ。鼻を嗅ぐだけで広い部屋全体に音が聞こえるはずもないし、何らかの機械の音でもなかった。

何かとても大きな生き物だ、それも人間を越える。

アイツに見つかったら僕はどうなってしまうのだろう。

それともうひとつ。誰か話せる人が欲しかった。この不安を喋って消し去りたい、何より一人でいることが怖い。

心臓は バクバク と脈打ち、荒い息は止められず、汗が ダラダラ と流れていく。

考えることすら忘れ、心を落ち着かせる。

誰か、助けて。

お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ