天乃命7
タグとジャルの設定が悩みます
誤字修正ありがとうございます!!
「小山さんが休み?」
「うん、先生も何も聞いてないってさ」
今朝、小山さんと会えなかったので、俺は一時間目が終わって、休み時間中二俺は小山さんのクラスへ行き、小山さんに連絡先を聞こうと思ったのだが。
小山さんは学校を休んでいるらしい。
体調不良? 家の事情? 何にしても心配だな。
「空城達も話しを聞いたから、不安だな。物騒になったし、今日小山さんの家に行ってみるか?」
いや、その前に小山さんの担任に、小山さんの家族か本人から休むという連絡が着ていないか確認しよう。
「連絡なし、か」
職員室で、小山さんのクラスの担任の先生に確認をしたが、連絡が来てないらしい。
なので、田川先生に連絡先を聞こうと思ったのだが、田川先生は教師として一時間目が終わって直ぐに出張に出たらしい。
後は小山さんの連絡先を聞けそうなのは理事長だけれど……。
「いねぇ……」
このタイミングで居ないとか。仕方がないので、教室に戻る。
「あ、図書委員に一応聞いてみるか」
ウチのクラスの図書委員に、小山さんの連絡先を知っているか確認してみよう。
そう思ったが、ちょうど二時間目の授業が始まったので、授業が終わってからクラスの図書委員長に聞いて見ると。
「小山さんは、確かスマホとか持っていないよ?」
「え、そうなの?」
「うん、図書委員の最初の顔合わせの時に私達が聞いたら、持っていないって言ってたよ。それからも持っている様な感じではなかったかな?」
「そっか」
むぅ、困ったな。
実家に頼んで住所を調べるべきか? 俺は悩みながら、昼休みになった。
「捜査の方はどう?」
「進んでないわ。手がかりなし」
「そっか」
俺、空城、葉山さん、夏影さんの四人で学食へ、そこでお昼を食べながら、捜査の進捗具合を聞いてみたけれど、芳しくはないらしい。
俺も捜査を手伝おうかと思ったが、別件で行きなり仕事が入る時もある。
手伝いが欲しいなら、理事長から指示がくるから、下手に動かない方が良い。
前に、それで一度やらかしているからなぁ。
「そういえば、昨日は学校サボったわね。天乃さん」
「ええ、デートに行ってきましたの」
「なっ、誰とですか!? 天乃さん?!」
と似非お嬢様口調で返すと、空城が過剰反応した。
「いえ、冗談よ。小山さんと一緒にちょっと遊んでただけよ」
「小山さん? 図書委員のですか?」
「ええ、その図書委員の小山さん、葉山さん知っているの?」
「はい、何度か図書室を利用した時に話したので」
以外と世間は狭いんだな。と思いながら、学食のミートスパゲティを食べる。
その後は、世間話で時間が過ぎ、俺は放課後真っ直ぐ家に帰った。
一応、家に着いてから実家に小山さんの住所を調べてもらうように依頼を出した。
明日も学校を休むなら、俺は明日は小山さんの家に行こう。そう決めた。
けれど、その判断が遅かった。
翌朝、俺は理事長から緊急招集を受け、学校の理事長室へ集合した。
「行方不明者が更に五人増えました」
その言葉に、集まっていた俺、空城、葉山さん、夏影さん、退魔部の部長の秋島先輩の全員が驚いた。
「一度に五人ですか?」
俺の言葉に、理事長が頷き。田川先生が行方不明になった人物の名前を言う。
「行方不明になった人達の名前をお伝えします。――小山雄介」
「小山?!」
田川先生が行方不明者の最初の名前を言った瞬間、俺は反射的に叫んだ。
「天乃さん」
「す、すみません」
理事長が最後まで黙って聞けとこちらを見つめてくる。
小山という名字に背筋から冷や汗が吹き出る。
俺は頭を下げて、田川先生の言葉を聞いた。
「小山静子さん、小山健也さん、小山里奈さん」
田川先生が言葉を一旦切って、俺を心配そうに見ながら最後の一人の名前を告げた。
「小山瑠瑠さん」
俺が即座にその場から、小山さんを探しに行かなかったのは、少なからず場数を踏んでいたからだ。
「調査員が小山瑠瑠さんに、話しを聞こうと家に向かい、調査員が家に着いたのが午後の七時。家には誰もおらず。この時間に誰もいないのは不振にと思い、調査員は術で家の内部を調べ。小山家に妖魔がいた痕跡を発見」
それから、警察の妖魔対策部の人間と共に家の中を捜索。更に小山家の人間に連絡を取ろうとしたが、全て連絡が通じなかった。
小山さんのお父さんの職場と、双子の弟と妹の学校にも連絡を入れた結果。
三人は無断で職場と学校を休んでいるらしい。
「更に小山瑠瑠さん部屋から行方不明者の身につけ付けていたヘアピンが見つかりました」
「我々は、状況から今回の小山瑠瑠さんが行方不明者達となんらかの関係があると見て、捜査することになりました。そして、貴方達五人は待機を命じます」
「はぁ?! なんでだよ!?」
「そうですよ、先生!!」
「…………」
空城と夏影さんが声を上げるが、俺は黙って二人を手で制した。
こう言う時、親しい人間がかかわるとロクなことにならない。
死人が出ることもある。
「事情は分かりました。自宅で待機しています」
俺はそれだけを言うと、理事長室から出て家に帰った。
家に帰った後、俺は家で戦う為の準備をする。小山さんがどのように妖魔と関わっているのかは分からない。
寄生されていないのは分かっている。けれど、寄生されていないから妖魔の仲間では無いとは言い切れない。
理事長のことだ、小山さんと俺が二人で出かけていたことは知っているはずだ。
「切る覚悟」
俺は過去に二人、人を殺している。妖魔に協力していた人間だ。
殺さなければ、人が殺される状況だった。
「小山さん…………」
淫妖魔の場合は快楽で人が従うこともがある。前世のエロゲの様に。
通常の妖魔でも、何かしらのメリットがあって、人が妖魔に従うことがある。
「これで、いつでも出られる」
刀や符を入れる擬装用のギターケースと、戦装束のメンテナンスは終わった。
それから、俺はスマホのマナーを解除して、いつでも出られるようにする。
後はひたすら座禅を組んで瞑想を行なったが、俺はまったく集中できなかった。