空城隕石1
ジャンルが現代(恋愛)と、間違えていたので、その他に変えました。
俺、空城隕石は目標がある。
それは、小学生の頃林間学校で妖魔に魅入られて、妖魔に食われそうだった俺を助けてくれた、同い年くらいの黒髪の美少女にお礼を言うこと。
妖魔が退治された後、俺は意識が朦朧としていたけれど、俺は彼女に一目ぼれをした。
綺麗でカッコイイ彼女に憧れ、俺は退魔師を目指すことにした。
そして、次は俺があの助けてくれた少女を守ると決めた!
あの日から、俺は退魔師になる為に、修行を積んだ。その結果、俺は退魔師の学校に入学できた。
スカウトだったので、学費なども免除してくれているので頑張って修行するぜ!
そう決意した入学式当日、幼馴染の葉山彩と中学からのライバルでもある夏影七海と同じクラスになれて喜んでいると、俺の目の前を一人の美少女が通りかかった。
宝石のように美しい黒い髪。
スラリとした長い肉付きの良い両足。それを更に引き立てる黒いタイツ!
全体的にもバランスの良い身体も相まって、もう! もう!!
「お嬢さん」
「ん? 何か?」
「お願いがあります。――その美しい両足の太ももで、俺の顔面を挟んで下さい!!」
俺は宙を舞った。
そのまま、トドメを刺されそうなところを助けてくれたのが彩と七海だった。
それから直ぐに、俺は同じクラスの天乃さんと仲良くする為に、色々と話しかけてみたけれど、駄目だった。
更に、退魔部に入部して活動が忙しくなり、最近までは天乃さんとはあまり話せていなかった。
元々俺は我流。入部してから周りのみんなから徹底的に基礎を叩き込まれた。
で、ようやく最近、心に余裕が出てきたので、天乃さんとお話をしているわけだ。
「今日も、素敵なおみ足ですね!」
「死ね」
「ぐべっ」
鮮麗された素晴らしい天乃さんの気弾を顔面に叩き込まれた。
相手に与えるダメージを押さえて、痛みにだけ特化した気弾。
田川先生が「素晴らしい一撃です。あれなら、捕縛任務の時の対人用の攻撃手段としてかなりの効果が期待できます。」と感心していた。
話には聞いていたけど、やはり天乃さんは凄い人だった。
暫定Sランク退魔師。
家が淫妖魔を専門に扱っているから、周りの奴等はどこか一歩引いている。
ただ、悪い感情ではないと七海が言っていたので、その辺りは心配していない。
「しかし、本当に最近、妖魔を見るわね」
部室で休憩をしていると、元気で明るいポニーテールの我等の部長。
秋島凛先輩が入ってきて、そう言った。
今現在、退魔部の部員は、俺と彩、七海と部長だけだ。
他の部員達は、それぞれ学校から紹介された退魔の仕事へ行っている。
仕事が出来るのは、学校側から認められた生徒だけだ。
部活自体は普通科の生徒でも入部することが出来る。
彩はマネージャーとして、入部している。
「巣が出来たわけでもない。どこからか一度に移動して来たわけでもない」
「理由はなんでしょうか?」
七海と彩が、最近街で何故妖魔が増えたのか、再度考え始める。
俺も、何度も原因を考えたけれど、分からない。
「田川先生も調べているみたいだけど、芳しくはないみたいね」
「何事も起こらないと良いっすね」
俺の願いは虚しく、叶わなかった。