天乃命4
誤字修正ありがとうございます( ノ;_ _)ノ
この世界に転生して、かなりの数の妖魔を倒してきた。刀や符などでだ。
まあ、武器は才能が無くて、符などもあまり上手く使えない。
なので、武器や符は危険度Bランク以下にしか使わない。
AやSランクは、誠に遺憾ながら、天乃家の戦装束を身に纏い(なぜか、力が湧き水の様に溢れてくるから腹が立つ)、戦って倒す。
ただ、天乃家は体質的に服を着ると(布地が多いと)気の出力が抑えられる体質らしいけど、全裸では百パーセントにはならない(なる一族もいるが)。
いかにセクシーで戦に似合うデザインかが重要みたいで、俺は過去に数回戦装束のデザインを変更している。
ただ、一族の戦装束を見た、俺の感想は「痴女?」である。
俺もまさか、九歳でその仲間入りをする羽目になるとは思わなかった。
ちなみに、一族の同じくらいの年齢の少女達も既に退魔師として働き始めている。
幼い頃から、エロ方面の教育を受けているから、エロへの抵抗がかなり少なく。
好きな男の子がいる子はさっさと経験をして、仕事に励んでいる。
二つの意味でな!
まあ、全ての一族の女が退魔師になるわけではない。その辺は割と緩い。
家の一族は、寿命で(いろんな理由で不老に近い体質になることが多い)死ぬことが少ないので、一族の退魔技術を持った退魔師の数は他の家に比べても多い。
他の家は限られた人間にしか、秘伝の技などを教えないので、総合的な人数は少ないが、それだけ質で勝っている。
だから、俺も退魔師にならなくても良いかな? と思ったのだが、やはり現当主の娘だから、退魔師にならないと駄目らしい。
「ふぅ、これでよし。っと」
明日の授業の準備をして、俺は和室の布団に入る。
明日も放課後は図書室へ行こうと決めた。
小山さんの立ち居振る舞いを見る限り、普通科だ。
俺の家のことを知らないから、あの態度なのかもしれない。
短い間かもしれないけれど、小山さんと仲良くしたいと俺は思った。
それから、四日ほどが過ぎた。
俺は放課後小山さんと過ごしている。
空城と夏影さん、葉山さんは最近街でよく見かけるようになった妖魔の調査を始めたらしい。
「この作品、双子のメイドが可愛いですよね。健気で可愛いんです」
「そうだね。こういうメイドさんが欲しいね。百番くじ買おうかな」
「あのラストワン賞がSP水着フィギュアのですか?」
「フィギュアって、買ったことが無いけれど、ちょっと興味があるんだよね」
なんて、この日も放課後図書委員の当番だった小山さんが終わるまで、図書室で本を読んだり、雑談をして、途中まで家に帰った。
「それじゃあ、また明日ね」
「はい、また明日」
何気ない日常。これからも変わることのない。そう思っていた。
けれど、翌日。
「別の学校の生徒達が?」
今朝、学校から連絡があり、俺や退魔部のメンバーが学校に召集された。
理事長室に集められた俺を待っていたのは理事長と退魔部の顧問の田川先生だった。
「ええ、行方不明になっているわ」
昨日の夜から、駅で三つ上りの学校に通う女子高生四人の行方が分からなくなったそうだ。
これだけなら、警察の仕事なのだが。
「妖魔ですか?」
「ええ、行方不明になった生徒達の持ち物から、妖魔の体液が見つかったわ。しかも新種の可能性があるの」
俺の言葉に、田川先生が頷く。ふだんはぽわぽわしている感じだが、こう言う時は退魔師の顔だ。
「学校としては、ここ最近街で妖魔の目撃件数が増えていることもあり、警戒はしていました。ですが、妖魔絡みの行方不明者が出た以上。本格的に捜査に入ります。ですが現在この学校にいる退魔師は限られています」
「そこで、貴方達にもいざという時には力を貸してもらいたいのです」
「具体的には、どのようなことを?」
退魔部の部長。確か名前は秋島凛だ。
面倒見の良い感じの上級生で、確か退魔師ランクはBだったはずだ。
ちなみに、高校生でBはかなり優秀だ。
Bランクになる為には、だいたい十年以上実務経験が無いとランクは上がらない。
彼女の場合、実戦と確認の為の筆記テスト。それと保有している気の量などからBランクになった。
数回Aランクの妖魔と単身ではなく、チーム戦で、戦い生き残っていることから、実力は確かだろう。
まあ、普通Aランク妖魔と戦う場合はAランク退魔師を最低二人、その上でBランクを十人近く集めて袋叩きにするのが普通だ。
退魔師は貴重なので、最低戦力で戦うとはあり得ない世界だ。
単身で戦っている俺がおかしいだけだと分かってくれ。
「非常時には、生徒や一般市民の避難誘導と護衛をしてもらいます」
「分かりました」
俺も含めて、まともに戦える退魔師が四人ではそれくらいだろう。
役割的には部長さんが指揮官、俺が遊撃。空城と夏影さんが護衛だな。
「それと、天乃さん」
「あ、はい」
なんでしょうか? と聞く前に理事長がとんでもないことを言ってきた。
「いざという時は、天乃家の戦装束を使うことを許可します」
「貴女は一体何を言っているんだ?」
「天乃さん、いざという時ですから落ち着いて、ね、ね」
思わず気が溢れだし、冷たい眼差しで理事長にそう言うと、流石に俺の機嫌を損ねたと分かったのか、田川先生が慌ててそう言ってきた。
空城達が俺の気に驚いて、引いている。
退魔部の部長は、流石に冷静だ。何事も無かったかのように、こちらを見ている。
「貴女は間違いなく時代の退魔師の中で上位に入る者です。簡単には死なれては困ります」
「はぁ、その辺は分かっております。いざとう時は全力で戦います」
まあ、目撃した男共が動けなくなる可能性があるけれど、その辺は気合でどうにかしてもらおう。