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忌み子
俺は大声で泣いた。この世に生を受けた自分を祝福してくれと言わんばかりに泣き喚いた。
身体はほんのり赤く。子宮の羊水で湿っている。
目は見えず、眩しすぎる光しか感じない。
耳もあまり聞こえず、言葉の意味が聞き取れない。
俺は誰だ?ここはどこだ?感じるのは眩しすぎる光だけ。
そんなことを考えていると突然身体が生暖かい感触を感じた。
そうかこれは産湯か。なるほど次は俺、赤ん坊として生まれ変わったんだ。
身体は赤ん坊だが脳だけが大人。俺は勝利を確信した。
またこの人生をやり直すんだ!次は後悔のないように、失敗しないように。
だが産婆は生まれたての俺の前歯を見て絶句した。
産婆は容赦なく産み落とされた直後の俺の首をへその緒で締めた。
前歯族は根絶せよという殺意と狂気。
俺は死ぬ事を後悔する間も無く死んだ。