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プラスA  作者: 於田縫紀
第14話 夏休みの始まり 

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その2 実家で一休み

 実家は思った程変わっていなかった。

 考えて見れば今年の四月に家を出てからまだ数ヶ月。

 変わっていなくて当然だ。


 ただ見覚えあるスバルのワゴンの隣に、明らかに僕用と思われる新しめの車がとまっていた。

 色は白色。

 小柄な車だが住宅街では微妙に異彩を放っている。

 いかにもという感じの四駆だ。

 道なき道を走りそうなタイプ。

 ある意味イライザ先輩の予想は当たっていたわけだ。

 やり過ぎだろうと思いつつ家のインターホンを押す。

「ただいま、帰ったよ」


 ◇◇◇


「それにしてもまさかあんなゴリゴリの四駆だとは思わなかったな」

「家の前まで除雪車が来ないからな。あれならあの辺の雪程度は大丈夫だ」

「だから寮住まいの方がいいって言ったのに」

 夕食の団欒時。

 今度大学受験で予備校の夏期講習に通っている妹も帰ってきている。


「でも今の家、楽しいですよ。何より広いし」

「大学はどうだ」

「理系だからか授業が多くて忙しい。田舎だから遊べる場所も無いしバイトも無い」


「私は(にー)と違って英語を失敗しないで都内の私立に行くんだ」

「でも田舎は田舎で楽しいぞ。山菜が生えていたり家が広いから休日に集まってゲームとかも出来るし」

「私は文系だしお洒落に行くの」


 うん、大学時代に遊ぼうというならその意見は正しい。

 何せ僕も入ってみるまで私立文系とここまで違うとは思わなかったから。


「でも家が広くて学校から遠いからと言って、皆で集まって遊んで学校さぼったりしていないわよね」

「国立理系にそんな余裕は無い。授業は多いしどの授業も出席取るし」


「大学ってゼミや専門以外に出席取るものなの?」

「国立は学生が少ないからな」

 父も国立理系出身なのでその辺はわかるらしい。

 ちなみに母は私立文系、都会のマンモス大学出身だ。

 その辺大学という物に対する意識がだいぶ違う模様。


「でも山菜なんて文明は知らないだろう。誰か知っている人がいたのか」

 あっ。


「大学の友人で詳しい人がいてさ。家の裏とかため池の方とか色々見て回って教えて貰った」

 誰とかどんな感じでとかは言えない。


「確かに色々生えているからな。今は採る人もいないから幾らでも獲れるだろう」

 父はそう言う。

 まさか毎週巡回して採っている金子先輩みたいな人がいるとは予想外だろう。

 言いたいけれど言えない。

 どのキノコが美味しかったとかこの前のジュンサイが美味しかったとか。


「ところで文明、明後日には向こうに行く予定なんだろ」

「うん、夏季のみの集中講義があるから」

 無論嘘である。

 さっさと帰って露天風呂工事の様子を見たいし亜理寿さんや他の面子と会いたい。

 それが本音なのだけれどここで言う訳にはいかない。


「ちょうどいいからその車に乗っていけばいい。免許は取ったんだろ」

「うん」


「技能講習何回ダブった?」

「一回だけ、第一段階の見極めが厳しかったかな」

「優秀だな」


「私も受験が終わったら免許取るんだ」

「私立は合格発表早いしな。国立は発表が三月だからそんな余裕は無かった」

 色々私立文系と国立理系の溝は深い。

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