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プラスA  作者: 於田縫紀
第12話 変態狸の痕跡

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その5 変態の美学

 土日の僕は基本的に教習所。

 もう少しで卒業検定だ。

 上手く行けば来週の土日どちらかには卒検。

 そんな訳で今週も家の事は買い物以外出来ない状態だ。


 ただ学科は効果測定まで終わったので帰りは今までより早い。

 今日は午後三時に教習所を出て三時半前には家に到着だ。

 日曜日で明るいうちに帰るのは久しぶり。

 ただその分注意をしなければならない事もある。


 それとなくバイクで走りながら家の周囲を伺う。

 どうやらサバゲ場その二の方に人がいる模様。

 なのでそこにバレないようにさっとバイクを家に入れる。

 万が一という事がある。

 同じクラスの連中に見つかると色々面倒だ。

 なお開けっぱなしの玄関には知らない履き物は無い。


「ただいま」

 靴を下駄箱にしまい小さくそう告げて二階の自分の部屋へ。

 教習所セットを片付けたところで下から声がした。

「もう大丈夫ですよ」


 そんな訳で下に降りる。

 下のリビング代わりの八畳間にはいつもの面子の他、美智流先輩がいた。

 美智流先輩がいるという事はだ。

「防犯対策ですか、抜田先輩相手の」


「プラス、この家の他の防犯対策を少しですね。今のままでは文明さんもクラスメイト等に見つからないよう大変でしょうから、少しばかり色々と対策を致しました」

 美智流先輩は説明を始める。


「まず道路からこっちの家側。こちらは文明さんと亜理寿さんが出入りしても普通の人には見えないようにしました。スクーターや自転車で出入りする場合も同様です。もし家の中でトイレ待ちしている人がいても、話しかけない限り文明さんや亜理寿さんの姿はわからないようになっています」


 それはなかなか便利だ。

 クラスメイト等に見つかる心配をしなくて済む。

「助かります」


「ここのフィールドを自由に使わせて貰っていますからね、そのお礼程度です」

 美智流先輩はそう言った後ちょっと顔をしかめて続ける。

「一応抜田さん相手の術も色々かけてはみました。それぞれ女性以外の亜人が触れると発動する仕組みになっています。ただ相手も術の達人なのでどこまで通用するか。その辺はちょっと私もあまり自信はありません」


 鬼神である美智流先輩にまでそう言わせる程の相手なのか。

 凄いと言うべきかその割にやる事は……と思うべきかはよくわからない。


「どんな仕掛けなのかは聞かない方がいいんですね、きっと」

「ええ」

 美智流先輩は頷く。

「基本的に皆さんでは発動しませんから。それに何処に何をしかけたか、ここで言うと聞かれる可能性もありますし」


 キンコーン。

 何か音が鳴る。

「私のスマホだ」

 真理枝さんがスマホを覗き込んで、嫌な顔をする。

「これだからね」

 スマホの画面はSNSメッセージ、相手は秋良とある。

『ははは、ここで説明してくれれば楽だったのだけれど残念だ。by秋良』


「聞かれているって事ですか」

「遠見の術で見たり聞いたりは秋良の得意な術だから」

 なるほど。

 でもそれはそれで疑問がある。

「だったら侵入とかしないでその術でのぞきとかした方が早くないですか」


 キンコーン。

 真理枝さんのスマホに再びメッセージが入った。

『それは美しくない行為だ。自らの身体を動かして肉眼で見ることにこそ価値があるby秋良』


 何だかな。

 やっぱりこれ、相手にしないのが一番の対策なのではないだろうか。

 そう言いたいけれどとても言える状況ではない。

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