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プラスA  作者: 於田縫紀
第9話 夜のSNS

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その3 おやすみなさい

『そんな妖怪達からの話でちょっと興味を引かれたものがありました。『北の方に最近出来た大学で、亜人や(あやかし)が住みやすい処があるらしい』という噂です。

 話の内容から該当する場所を調べた結果、その噂が医理大の事だとわかりました。


 他の国立大学では設置が少ない薬学部があるのもちょうど良かったです。私は元々社会系の学科より理科系、それも生物系の学科の方が好きでしたから。

 医理大に入って、そして文明さんに再会したのです』


 亜理寿さんからのSNSメッセージは大分現在に近づいて来た。


『ですから私も文明さんの事を知っていました。だからこそつい、あの日声をかけてしまったのです。後は御存知の通りです。これ幸いとこのお家に引っ越して今に至っています』


 なるほど。

 今までの色々がこれで納得出来た。

 高校時代に見せていたあの“鎧”も。

 大学に入ってすぐの頃に向こうから声をかけてくれたのも。

 僕相手になら色々言える事も。


『そんな訳で偶然だったのは文明さんも医理大に来てくれた事くらいです。あとは偶然ではありません。

 他人が苦手なのも文明さんだけは大丈夫なのもこういった理由からです。

 それを言わないでおくのは文明さんに対してフェアじゃない。ずっとそう思っていました。でも言ったら文明さんにまで重いとか気持ち悪いとか思われるかもしれません。それが怖くて今まで言えませんでした。ごめんなさい』


『別に謝ることは無いよ』

 とっさにそう打ち返す。


『別に話さなかっただけで嘘を言っていた訳じゃないし。それに言いたくない事だってあってもおかしくないしさ』


『でも気持ち悪いとか面倒だとか思ったりしませんか』

『何で』

『普通の人と違いますし、夜中にこんな事を一方的に言ってしまいましたし』

『別に明日は休みだしどうという事は無いよ。大丈夫だって最初に言ったしさ。

 それに亜理寿さんだから美鈴さんの件だって上手く行ったんだろうし』


 ちょっと間が空く。


『ところで賑やかなのが苦手とかそういうのは大丈夫? 何なら真理枝さんに言ってGWの泊まりを減らすなりお願いするけれど』

『それは大丈夫です。確かに賑やかなのは得意ではないですけれど。でも私用にこの部屋がありますし、ここの人達は私が魔女で当然と思っていますから』


『本当? 無理はしないで』

『ええ』


 こんなところかな。

 でもついでに質問を一つしておこう。

『でもどうして今、色々と話そうと思ったの?』


『本当はもっと早く話すべきだと思っていたんです。でもここの居心地が良すぎて怖かったんです。ここに居られなくなる事が。

 でも車に同乗できない事とかも言ってしまいましたし、言うなら今のうちだと思ったんです。明日からはまた人数も増えて賑やかになるでしょうから』


 なるほどな。

 

『それでは夜遅くなのにありがとうございました』

『こちらこそ。もし何かあれば何でも言って』

 そこまで打ってそして付け加える。

『ただ言いたくない事は言わなくてもいいからね。人それぞれ秘密があって当たり前だからさ』


『ありがとうございます。それではおやすみなさい』

『おやすみなさい』


 メッセージが終わる。

 パソコンの時間表示が目に入る。

 一時間近くの間SNSでやりとりしていたようだ。

 感じたより長かった。


 パソコンをシャットダウンさせて布団に入る。

 今まで色々な場面で見た亜理寿さんの姿が脳裏をよぎった。

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