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プラスA  作者: 於田縫紀
第9話 夜のSNS

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その1 もしもあのとき

 またちょっと間が空いて文章が送られてきた。


『高校一年の五月、GW明けの頃の話です。駅で無理矢理ナンパされて困っていたうちの高校の生徒を文明さんが助けたのは憶えているでしょうか』


 そんな事あったかな。

 そう考えて思い出す。

 そう言えばそんな事もあったな。

 学校帰りに改札近くで男子高校生に言い寄られて困っている風の女子高生を見た。

 ちょっと観察した結果、知り合いでも何でも無く無理矢理ナンパされそうで本当に困っていると判断。


 だからその女子高生があたかも僕の知り合いで待ち合わせをしていた様に話しかけて、そのまま改札内まで連れていった訳だ。

 相手は電車が僕と逆方向だったので念の為一駅先まで一緒に行った後僕は降りて。

 そして次の電車で引き返して自分の家へ帰ったんだった。

 でもあの時の相手は亜理寿さんじゃない。

 もっと普通の感じの女の子だったと思う。


『あの場所にちょうど私もいたんです。更に言うと彼女は私のクラスメイトでした』

 そうだったのか。

 確かに同じ高校だけれどそれは思いつかなかった。


『私の友達という訳ではありませんが。そんな訳でその後次の駅まで送って貰った事、そして文明さんは特に名乗らずそのまま次の駅で降りたきりだと言う事も知っています。その辺で『あれでもっとタイプだったら探すんだけれどね』なんて文明さんに失礼な事を言っていたりもするのですけれど』

 ちょっと苦笑。


『でもまあ実際そんなものだろうと思うよ。僕も特に見返りとか考えていないし』

『なら何で助けたんですか』

『そのままにしておくと後で気分が悪いからかな。その程度』

 細かくは憶えていないが多分そうだろうと思う。

 別に付き合いたいとかそういう事じゃ無い。

 確かに彼女はいなかったし欲しいけれど、それとこれとはまた別の話だ。


『だからふと思ったんです。あの時文明さんがいたら、私も普通に生きていられたかなと』


 あの時というのが何を指すのかはわからない。

 でも何か不穏な予感がした。

 それ以上聞かない方がいいような気がした。


 でもそれをSNSでどうやって制止しよう。

 言わなくても大丈夫だよ。

 理由を知らずにそう言っても説得力は無い。

 そして僕の元に次の文章がやってくる。


『小学校五年の夏の日、私は学校から帰るところでした。その日はたまたま学校で色々用事があって私一人でした。

 帰る途中で突然の夕立に遭って、近くの公園の四阿(あずまや)に避難しました。屋根があって小学生が入れるような場所はそこしか思いつきませんでした。私の家は学校から子供の足では結構遠かったので、一気に走って帰るという選択肢は当時の私にはありませんでした』


 不穏な予感は更に高まる。

 小学校五年というと聞き覚えがある。

 確か亜理寿さんが魔法を使えるようになった歳だ。

 その事をかつて亜理寿さんは“事件”と言った。


四阿(あずまや)に来てしまったと思いました。ちょっと薄汚れた感じの男の人二人が先に雨宿りをしていました。でも雨は激しかったですし場所的には十人くらいが座れる程度の広さがあります。そこで私は男と反対側の列の一番隅に腰掛けて雨が止むのを待つ事にしました』

 もう嫌な予感しかしない。


『男の人二人は私の方を見て嫌な笑い顔を浮かべて二人で何か喋っていました。何か嫌だなと思ってあえて二人の方は見ないで反対の外の方を見ていました。

 雨ももう止むかな。そんな時にふと嫌な気配を感じました。振り返るってみると二人の男が立ち上がってこっちへ近づいてくるところでした』

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