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プラスA  作者: 於田縫紀
プロローグ 解説役の彼女

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その3 出会い(3)

 次に彼女を見たのは五限の教職論Aの授業の時だった。

 教員免許を取るには各科この科目の履修が必須。

 そのせいで履修生が多い。

 そんな訳で大教室いっぱいになった履修生の中に彼女がいた。

 前の方の席にちらりと後ろ姿が見えただけだけれども。


 授業そのものは一回目という事で授業内容の説明と教官の自己紹介で終わり。

「それでは次回から本格的に授業を開始する。教科書は生協の書店で扱っているから次回までに買っておくように。履修票を前に提出して今日の授業は終了とする」


 そんな訳で授業が終わって外に出た時だ。

 ふっと何か寒気がした。

 何だろう、そう思って周りを見回す。

 まだ夕暮れの明かりがかろうじて残っている中、何か行列みたいな物が見えた。


 何だあれは。

 人とは思えない姿格好が僕の目に焼き付いた。

 新入生歓迎で何処かのサークルが扮装しているのとは明らかに違う

 何というか、雰囲気がまるで違うのだ。

 (あやかし)、百鬼夜行といった単語が僕の頭をよぎる。

 咄嗟に視線をずらした。

 見てはいけない、忌むべきものだと直感が判断している。


 他の学生には見えていないのだろうか。

 行列に目をやらないよう周りを確認する。

 騒ぎになりそうな雰囲気は全く無い。

 あの行列なりその進路なりに近づく学生はいないようだけれど。


「百鬼夜行ですね。でも言い伝えのような悪さはしません。精々夕食の食欲が無くなる程度のものです」

 聞き覚えのある声がつい近くでした。

 僕は念の為声の方を振り返る。

 予感通りあの名前を知らない彼女だった。


「何故わかるんだ」

「私はある程度事前知識がありますから」

「アレの知識か」


「ええ」

 彼女は小さく頷く。

「まつろわぬ者共、人が想像で生み出した妖怪や魔、世界の可能性に敗れた存在したかもしれない存在。ここはそういった者共が出やすい場所なのです」

 いつもの僕なら一笑に付すような話だ。

 でも今は見える証拠が目の前を闊歩している。


「何なら説明しましょうか。授業はこれで終わりですよね」

 確かにこんなのに出会うなんて事態、何かの理由が聞きたいところだ。

「頼む」

「なら夕食でも食べながら説明しましょうか」

「ああ」

 一人前なら学校で食べて帰った方が家で作るより安く済む。

 それに五限終わりは午後五時四十五分。

 これから飯を作るより食べていった方が楽だ。

 そんな訳で並んで歩き出す。


「それにしてもなんであんなものが出てくるんだ」

「今日のは顔見せですね。新たな住民に対しての」

 顔見せか。

「新たな住民って新入生のことか」

「ええ、そうです」


「ならもっと人の多い時間に出た方がいいんじゃないか」

「今のタイプは無理です。元々日光に対する抵抗力が極端に弱いですから。本来は丑三つ時に出るものです。まあそのおかげでかなり無害な状態なのは喜ぶべきでしょうけれど」

 確かに昼間から出てくるお化けはお化け屋敷のバイトくらいだ。


「細かい説明は夕食でも食べながら話しましょう」

 そんな訳で厚生棟の前についた。

「第一、第二、第三どこにする」

「第二ですね。他は野菜をきっちり取れませんから」

 そんな訳で僕と彼女は二階へ向かう。

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