その2 参加者鋭意集合中
翌日はまず小坂井さんの畑に水やり。
ご飯を食べた後倉庫から農業用具や刃物、重機類を色々出して整理する。
鉈とか小斧とかは研げばまだまだ使えそうだ。
あとは籠も洗ってホコリを取ればそこそこ使えそう。
一輪車二台も出しておこう。
竹製と思われる籠数種類を洗って庭で乾かしていると車の音が近づいて来た。
見覚えのある銀色の軽ワゴン、美智流さんの車だ。
車は一度うちの前を通り過ぎ、バックで入ってくる。
そして女の子三人と荷物を下ろした後、また前進して走り去っていった。
「あれ、美智流さんは?」
「あと二組、寮から連れてくるのだ」
深川先輩が教えてくれた。
降りたのは他に先々週見た日本妖怪の二人。
「先々週は飲んだくれてて失礼しました。工学部情報科学科三年の川原です」
「同じく理学部数学科三年の寺原です」
「それぞれ河童と川姫なのだ。川とため池を調べると言うから専門家を先に連れてきたのだ」
二人とも大人しそうな大人の女性という感じだ。
見た目では河童とか川姫とか全然わからない。
「そんな訳で川とため池を確認に行くのだ!」
深川先輩はバケツとたも網、更に怪しげな網らしきものをバケツに入れている。
「私も一緒に行ってきます。水門の鍵を預かっていますから」
亜理寿さんが歩いて行って一行に加わった。
「では行ってきます」
何か夏休みの小学生みたいに網とバケツを持って四人が出ていく。
「あのバケツの中に入っていたの、投網だよね」
「私もそう思います」
小坂井さんと摩耶さんがそう言って頷く。
次に車よりもう少し甲高いエンジン音が二つ近づいて来た。
いかにもというオフロードバイクとネイキッドのオンロードバイクだ。
それぞれ駐車場の一番奥まで入れて止まる。
「ふっふっふっ、いよいよこのバイクの真価を試すときが来たぜ」
人狼のアンドレアさんが二人いる?
オンロードの方が黒色革製ジャケット姿、オフの方が迷彩服姿。
でもそっくりだ。
迷彩服の方の彼女がバイクを降りヘルメットを取ってこっちに一礼した。
「どうも初めまして。アンドレアの姉でイライザという。工学部機械工学科四年、以後宜しく」
なるほど、そっくりだと思ったらお姉さんか。
「イライザ先輩が会に顔を出すのは来るのは珍しいですね」
「レアがバイク貸せというからさ、何に使うか問い詰めたんだ。そうしたら自由に走れる山があるというじゃないか。レアのはオンロード用だからオフ用を貸せだと。そんな面白い事をレアだけにさせる訳にはいかないから乗り込んできた」
「そんな訳で姉貴も一緒になってしまった」
レアというのはアンドレアさんの事らしい。
オフロードの方のバイクは青色でYAHAMAと書いてある。
割と大柄なオフロード車。
オンロードの方はやや小柄でSUZUKIとある。
「何かいかにもという感じのバイクですね」
「どっちも一二五だからそんなにパワーは無いな。こっちのオフの方は足つきが悪いからシートのウレタン削って足付きよくしてある」
こういうオフロードバイクも格好いいな。
最低でも二輪の小型限定免許が必要だけれど。
「雪道とかはこれで走れますか」
「レアのはだめ、こっちは雪程度なら何とかなる。でも凍っているとやばいな。だから専ら春夏秋のお遊び用だ」
そうか、冬の交通機関にはならないか。
やっぱり車を買う必要があるなあ。
そんな事を考えていたら自転車組もやってきた。




