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プラスA  作者: 於田縫紀
第3話 賑やかな週末

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その4 今日の面子の内訳

「今日来ているのは獣人と日本妖怪の皆さんが中心だよ。まあ日本妖怪の皆さんはリビングで飲んだくれて倒れているけれど」

 真理枝さんがそう説明してくれる。

 つまり無かった筈のこたつを出して伸びている五人が日本妖怪の皆さんと。


 でも少し疑問に思ったので聞いてみる。

「狐や狸の獣人は日本妖怪に入らないの?」

「犬神も含めて日本妖怪には違いないけれどね。あとは個人の性格的なものかな。美久コンは術より肉体系の獣人寄りだし私はどちらかというと術メインの妖怪寄り。あと焚き火のところにいる二人は鬼神と|龍神。今日のお目付役ってところ」


「お目付役は無いのだ」

 そう言う声とともに二人がやってきた。

「迎え火を炊いて元々この地にいた存在にご挨拶をしていたのですけれどね。特に制約など無く自由に使って構わないそうです」

「元々大規模に改変しない限りは皆文句を言ったりしないのだ。むしろ賑やかな方が喜ぶものなのだ」


 黒長髪のほっそりした美人と一見中学生に見えるツインテールロリロリな女の子の組み合わせ。

 でもきっとどっちもうちの学生なんだろうな。

 この辺は他に若い人はいないから。


嵐山(らんざん)美智流みちる。鬼神なんて言われましたけれど要は鬼です。普段は応用物理学科の榊研究室にいます。院一年です」

深川(ふかがわ)みどり、医学部医学科三年なのだ」

 やっぱり大学生、それも先輩だったか。


「これだけ妖怪だの亜人だのが集まると色々賑やかになるのでちょっと見張っていたのですけれどね。派手なのも少しいますけれど皆さん歓迎してくれているようです」

「派手なのって?」

「例えばあれなのだ」


 ちょうどうちの前の道を炎が走って行った。

 正確に言うとでっかい輪っかの全体が炎に包まれていて、それが回転しながら走っている状態。

 つまり輪入道だ。


「火事にならないんですか」

「あくまで炎に見えるだけですから。伝承では輪入道は見た人の魂を食らうという妖怪ですけれどね。実際は夜は危ないから出歩くなという広報をしているだけなのですけれど」

「奴も最近元気なのだ。大学の百鬼夜行にも出てきているのだ」

 そう言えば大学でも見たな。


「あと鬼火が結構飛んでいるのだ」

 言われてみると確かに焚き火の火の粉で無いものが舞っているような。


「妖怪とか怪物とか言われるものも実際はそれほど害は無いんですよ。もう御存知だと思いますけれどね。人間と同じ、ケースバイケースです」

「元々人間の想像や思いが形になったものだから、そんなものなのだ」


 なるほどな。

 何かこの家に来たばかりの頃の僕自身とは随分変わったなと思う。

 まあ毎日魔女だの狸だの座敷童だのと一緒に暮らしていれば変わるよな。


「それで多少いじっていいなら色々開発しようぜ」

 犬神の薬袋さんだっけかな、がそんな事を言う。

「取り敢えず露天風呂が欲しいな。ここの風呂は寮よりましだけれど二人入ると目一杯だからさ」

「ここは掘って温泉が出る場所かな」


 深川さんが右手の平を下に向かって広げて目を閉じる。

「うーん、千三百メートル掘れば出る事は出るのだ」

 龍神の深川さんが言うからにはきっと本当なんだろう。


「千三百じゃ無理だよな流石に。ただの露天風呂でいいか」

「でもどうやってお湯を沸かすの? 水量が多いとガス代かかるよ」

「魔女の魔法で何とかならないか」

「その量のお湯を沸かしたら私が倒れるぞ」

「でもプロパンガス高いからなあ」

「誰かお湯を作れる系妖怪いないか」

 何かもう無茶苦茶だ。

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