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プラスA  作者: 於田縫紀
第3話 賑やかな週末

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その1 賑やかな土曜日

 真理枝さんは悪い人ではない。

 明るくて話しやすいし色々物知りだし性格もいい方だと思う。

 でも僕や亜理寿さんと比べて社交的すぎるというか何というか……


 DKから続く共用のリビング八畳間に物というか住民が増えている。

 例えば髪が伸びる日本人形。夜中に歩く西洋人形。

 この二体の大きめの人形がいつの間にかリビングに鎮座していた。

 他に玄関横に立派な唐傘があったりもする。

 更に数点何やら色々増えているような。


「美鈴ちゃんにお願いされてその辺の古家からレスキューしてきたんだよ。みんないい子だから仲良くしてやってね」

 そう言われてもどう仲良くすればいいのだろう。

 意思疎通の方法すらわからない。

 ただ見慣れてしまえばあまり気にならなくなったりする。

 たとえ夜中にその辺を徘徊していても。


 そんな感じで僕も色々慣れてきたある土曜日のことだ。

 僕は土日は教習所で目一杯講習を受ける。

 出来るだけ免許を早く取りたいからだ。

 幸い技能講習もやり直しなしの一発通過が続いている。

 この調子なら夏休みまでには免許を取れそうだ。


 どんな車になるのかな。

 車は父が用意すると言っているけれど。

 まあそんなにいいのでは無いだろう。

 真理枝さんが自転車を乗せられる奴と言っていたけれど大きいのは高いよな。

 きっと安いコンパクトカーあたりだろう。

 軽自動車は母が小さすぎて怖いと言っていたから。


 そんな事を思いながらもうすぐ沈みそうな夕陽の中家の前まで帰ってきたところで気づいた。

 何か家が賑やかだ。

 見ると雑草が生い茂っていた庭が綺麗になり、何故か焚き火が炊かれている。

 車二台と自転車数台が駐車スペースに停まっているし声が複数人分聞こえた。


「あ、文明君おかえり」

「おじゃましてます」

 うちの大学に数少ないはずの女子大生がうじゃうじゃいる。

 うじゃうじゃと言っても十人ちょいくらいだけれど。

 庭に焚き火が二箇所。

 窓開けっぱなしのリビング八畳間では酒盛りしているのが見える。

 玄関右の廊下にもペットボトルのお茶やらビールやら色々な物が出ているようだ。


「何の会ですかこれは?」

「真理枝さんの友人一同による引っ越し祝賀会だそうです」

 亜理寿さんが教えてくれた。

「庭の草を掃除して、裏山でタケノコや山菜を採って、いただいているところです」


 美鈴さんも開け放した廊下の窓に腰掛けて何やら頂いている様子だ。

 うん、庭もすっきりしたしたまにはいいだろう。

 美鈴さんは賑やかなのが好きだしさ。


「そんな訳で文明君、庭と家と部屋を借りているよ」

 長身黒髪ロングのお姉さん風がそう言って軽く頭を下げる。


「どうぞどうぞ。庭もすっきりしたし」

「すっきりというか草を燃やしただけだがな。結構深い部分まで高熱かけたから当分庭掃除はしなくて大丈夫だろう。私は理学部数学科3年の摩耶(まや)咲耶さくやという。炎系の魔女だ。以後宜しく」

「こちらこそ宜しくお願いします」

 頭を下げておく。


「いい家だなこれは。古いががっちりしているし、広すぎない処もいい。何より周りが自然豊かで快適だ。魔女は街中でもなんとか対応できるが、獣人系だの妖怪系だのにはうらやましい環境だな。特に獣人は自然から離れると調子崩すから」

「学校からちょい遠いですけれどね」


「十キロ無いし走ればすぐだよ」

 別の声が加わった。

 中背で短髪のいかにも活発そうな女の子だ。

「争奪戦は真理ポンに負けたんだけれどね。流石に空飛ぶ魔女には私の足でも追いつけなかったから。あ、私は医学部2年の小坂井(こさかい)真紀まき。兎の獣人だよ」

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