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プラスA  作者: 於田縫紀
第19話 何も無い筈の平和な一日

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その4 安心できない露天風呂

 色々亜理寿さんの事を意識しそうになったので、一緒の空間から露天風呂へ逃亡。

 時間潰し用に百円ショップで購入した防水カバーにスマホを入れて準備万端。

 薪の量を少し抑えているので風呂は程良くぬるめ。

 長居するのにはちょうどいい感じだ。


 何故夏の気温三十五度は酷暑なのに風呂の四十度はぬるめで長居出来るのだろう。

 そんな事を思いながらのんびり身体を伸ばす。

 屋根の部分が直射日光を遮ってちょうどいい。

 背後の山から心地いい程度の風も吹いてきている。

 この快適さを自宅で味わえるというのはなかなか贅沢だ。

 イライザ&アンドレア姉妹と教授率いる建築クラブに感謝しよう。


 そんな感じでひねもすのたりという感じでやっていると外の方から声がした。

「文明さん、薪がそろそろ燃え尽きますけれどどうしますか?」

 おっと気づかなかったな。

「ごめん、太めのを二本位入れて置いてくれると助かる。温度はちょうどいいから火が消えないで続く程度で」

「わかりました」

「ありがとう」

 後に入る時にぬるすぎたら亜理寿さんに申し訳無いものな。

 まあ亜理寿さん自身にやってもらったのだけれど。


 しかしなかなか快適だ。

 そろそろ出ないと亜理寿さん達が入れないなと思いつつも動けない。

 スマホの時刻表示は午後一時四十分過ぎ。

 二時には出ようと思った時だった。


 風呂場の大窓ががらっと開いた。

「失礼します」

 タオルを捲いた美鈴さんと亜理寿さんが……

 っておい!


「文明さんがあまりに気持ちよさそうでなかなか出てこなかったので、つい」

 更に美鈴さんが何か言っている模様。

「美鈴さんにそんな話をしたところ、なら一緒に入ってしまえという結論になって。美鈴さんが言うには昔は銭湯も混浴だったし問題無いとの事です。それに文明さんなら問題無いだろうとの事で」

 僕は問題ある!

 大体元はといえば亜理寿さんを意識しないよう離れたのにこれじゃ逆効果過ぎる!

 なんてことは勿論言えない。


「お風呂の方で身体を洗ったのでこのまま失礼します」

 この露天風呂は個人宅用としては広いが巨大な訳では無い。

 だから当然亜理寿さんが入った場所もせいぜい僕から三メートル以内。

 入る瞬間にすらっとした白い足が見えた。

 波が僕の方までやってくる。

 意識し過ぎなんて言わないでくれ。

 同じ年齢位の男子なら誰だって意識してしまうだろうこんなもの。


 正しい反応はここから逃げる事。

 でも今すぐここから出たのでは色々問題があるような気がする。

 ここはある程度我慢して、それから何気なく逃げるのが正解だろう。

 なお美鈴さんはいつものタブレットを防水カバー装備で、亜理寿さんはスマホを防水カバーに入れて持ち込んでいる。

 長湯する気満々のようだ。


「太陽がちょっと厳しいですね」

「こっちの屋根付きの方は大丈夫だよ。ちょっと詰めるから」

 余分な事を言ってしまったと思うが仕方無い。

 それに確かに夏の太陽は照らされているだけで熱いのだ。

 屋根がある場所の方が断然気持ちいい。

 ただその結果はもう何というか、そこまで広くない浴槽の更に半分しか無い日陰を僕と亜理寿さんで共有することになる訳で……


「美鈴さんは日向がいいそうです。普段家の中にいるのでたまには日光浴をしたいそうです」

 とりあえず密着の危機は免れたようだ。

 それでも亜理寿さんと僕との間は概ね一メートル程度。

 危険というかちょい視線をずらすと視界に入る距離というか……

 僕はスマホの時計表示を見る。

 取り敢えず今すぐ出るのはまずい。

 十分程我慢して、それから逃げよう。

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