第6話
「くそ、見失ったか」
辺りを見渡しても人影が無い。
「本当にどうしたんですか?急に走り出して」
10秒遅れでエリカが追いついた。ニックは平然としているが、エリカは少し息が上がている。同じ軍人と言えど、男女の差はやはりあるらしい。
「古い友人を見つけたんだが、どうやら嫌われているみたいで…」
ニックは頭を掻きながら困った顔をしていた。
「嫌われているなら放っておけばいいと思うのですが」
「そうなんだけどさぁ…ほら、よくあるだろ?フラれても片思いし続ける子とか。気持ち的にはそんな感じなんだ」
あぁ、なるほどと呟き納得したエリカ。
「変なことに巻き込んでしまって申し訳ない」
「い、いや!気にしていませんから!顔をください!」
部下であるエリカに深々と頭を下げるニックは礼儀正しい男であると、読み取れる。
「だが、迷惑をかけたことに変わりはない。何か詫びさせてくれ」
お詫び申し上げるニックにエリカはニヤリと笑みを浮かべた。
~アルティーナ4番地区~
「あぁ~~、腹減った…」
「五月蠅いゾ、ルーク」
ソファーに寝転がるルークを、椅子にもたれ掛かるオウルは力ない会話をしている。
「だってよぉ、昨日から何も食ってないんだぜ?」
「今回の浮気調査の報酬で食い物とか買う予定だったのに誰かさんが急に逃げるから仕方ないだろ」
「…それは確かに仕方がないな、うん」
まるでルークは自分のことでは無いような言い方をしている。
「反省は?」
いつもは感情的にならないオウルが低い声で言った。怒っている。
「してます。ごめんなさい」
お互い動いているのは口だけ。まるで死体のように脱力した二人はそのまま眠りについた。
空腹状態で眠れるなど、器用な者だ。
~隣国セレナント帝国~
「この計画は完成寸前まできた。残るはアレを手に入れるだけだ」
「はい」
「イェーガー。貴様に今回の件を任せる。余の期待に応えて見せよ」
「はい。必ずしも」
【数時間後】
~アルティーナ4番地区~
「あの浮気ってどうなったんだろうな」
「今回の依頼か」
オウルがふと疑問に思った。途中で投げ出してしまったので、結果がわからないままなのだ。
「あれな、浮気じゃないぞ」
空腹のせいで元気がでないルークがボソリと言った。
「なんで?」
オウルの疑問にルークがボソボソとか弱い声で答える。
「彼氏さん、街歩いていた時に手帳見てたいだろ?」
オウルは、尾行していた時のことを思い出す。確かに、前を見ずに手帳を見ていた。
「その手帳にカレンダーが載っていて、1週間後の日付に『シャルの誕生日』って書いてあったんだよ」
ルークは目がいいらしい。
「それに建物に入って行っただろ?あそこ先日までアルバイトを募集していたんだよ。たぶん彼氏が就職したんだろうな。募集広告無くなっていたし」
オウルも察しが付いたらしく、納得した顔をしていた。
「まぁ、彼女へのプレゼントを買うための資金集めってところじゃないか?確証はないから報告出来ないが」
一通り喋ると、疲れたのかまた眠りについた。
腹の音か、寝息か。部屋にぐぅ~と音が響いた。
たまに自分でも読み返すのですが、作文力がないというか。構成って難しいですね。
これからはもっと勉強して皆様にわかりやすい小説が書けるよう頑張ります。
あと、タイピングももう少し早くなりたいw