Prologue
悪魔の青年は呟いた。
「失敗するのはいつものことだけど、出来ればもうしたくないなぁ…。」
とある噂が、蔓延るこの世。
あなたは、ご存知ですか?『悪魔』についてのそれはそれは凶悪な噂を・・・。
*****
<ねぇ、知ってる?あの悪魔の噂。>
走る、走る。ただひたすらに。いま視てしまった恐ろしい光景を振り切るように、殺されないように、訳もわからず走り続ける。
<ああ、知ってるよ。最近有名だよね。>
尖った耳に、イビツな尾。アレはこの世に存在すべき者の姿ではなかった。
ただ、恐怖を感じて。
<悪魔に関わった人間は誘惑されて、地獄のような異次元に堕とされてしまう。>
嫌だ、嫌だ、来るな、助けてくれ!
だんだん意識がぼやけていく。走ることさえ出来なくなる。
<怖いよねぇ。本当に存在するのかな。>
<信じちゃダメだよ。信じたらきっと本当に悪魔が来てしまう。>
道端に倒れる。意識は無くなってしまった。そして次の瞬間、自分は。
ーーー馬車に轢かれて、死んでしまった。
「あー、また失敗しちゃった。・・・僕はただ、説得したかっただけなのだけれど。」
悪魔は心の底から、悔しそうで寂しそうな顔をした。
[失敗してしまいましたね。すみません、私がもっとしっかりナビ出来ていれば・・・。]
「いや、大丈夫。君はもとから悪魔だとはいえ、最近仲間になってくれたばかりだしね。それにこんな失敗、いまに始まったことじゃない。というか、今のところ仲間は君だけなんだ。逆に心強いよ。」
[・・・ふふ、そう言って頂けるとありがたいです。わかりました、次からはもっと頑張ってみますね。]
「無理はしないようにね。・・・さて、今日はもう帰るとしよう。」
[了解しました。お待ちしてますね。]
それは中世ヨーロッパでの、真夜中の出来事。
この物語は、一人の寂しい悪魔のお話。
そして、その悪魔に関わった人たちの、お話。
初投稿です!とりあえずお試しということで短いプロローグのみの投稿でした。
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
これから宜しくお願いいたしまぁーす!
炬燵でみかん食べながら、作者より愛を込めて((殴