表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

仲間を集めよう

 兎にも角にも、俺とハレちゃんは、隣町へとたどり着いた。

 しかし、ここに来るまでに、一匹たりともモンスターに出くわさなかったんだが、いいんだろうかこれで。

 まあ、まずは俺と旅の仲間となる、メンバー集めからだな。

 俺は、酒場を見つけて、そこのマスターと思われる人に話しかようとする。


「ね、ねえ。知らない大人に話しかけるの?私たち、どう見ても未成年だし、お断りされるんじゃないかな……」


「いや、なぜだか知らんが昔から旅のメンバー集めというのは酒場っていうのが相場でな……」


「どこの世界の話なの?」


 俺も知りません。ただ、学校で仲間が集まらないようなら、酒場に行ってみるといいと教わった。それが、今役立つ時だな。

 ハレちゃんを引っ張って、再びマスターに向き合う。


「なんだ?ボウズ。酒は出せんぞ。ジュースならあるが飲むか?」


「ここで、旅の仲間を募集したい。そこの掲示板に張り出してもらえない?」


「なんだ、勇者なのか?」


 俺は、もらった勇者の紋章をマスター見せる。

 たくわえた顎髭をなぞりながら、カウンターから一枚の紙を取り出した。


「ここに年齢、名前。旅の目的、募集人員の条件とか書いてくれ。書き終わったら、掲示板の適当なところに貼っとけ。期限は一週間だ。まあ、来なかったら、また書きにくるといい。集まらんやつはいつまでも集まらんからどうなるかはお前の運次第だ」


 なんか嫌な言葉を聞いた気がするが、それは欲張った場合だろう。いきなりそんな強い人が仲間になったら、そりゃ旅が楽になるだろうけど……


「私が書くねー」


 なんか、抜けてそうな、加えてレベルなんかかなり低そうな女の子がメンバーだし、無理をすることはないだろう。

 容姿については、それなりに可愛いです。


「書けたー」


 いや、それ俺が書くもんじゃないの?募集してるの君じゃなくて俺なんだけど。


「ここに貼ればいいんだよね?」


「あ、ああ。一応見せてもらえる?大丈夫、そのまま貼るから」


 名前:ハレ 15歳


 目的:まおー討伐


 募集人員:だれでもどーぞ!


 なんか頭が痛くなる内容だ。しかも、名前も俺じゃない。

 まあ、でも書いてる文字は女の子っぽいしこの方が逆に集まるかもしれない。

 変なやつばっかり集まらなきゃいいけど……。


「じゃあ、一週間後にまた来ます。ハレちゃん、行くよ」


「あ、はいー」


 ただ、一週間後と言ったけど、一週間何しよう。とりあえず、適当に声かけて候補だけでも、探ってみるか。


 ーーーーーーーーーーーーー


 一週間が経過する前に、マスターからお声がかかったために、二日程度で再び酒場へと向かった。

 なぜか指定された時間は夜だったので、酒場に入ると、あちらこちらから出来上がったオッさんの声が聞こえてくる。というか、もう酒臭い。出て行きたい。


「来ましたよー」


「おう。奥の方に集まってもらってる」


 集まってもらってる?

 そんなに人が集まったのか。貼ってから2日しか経ってないのに。

 これも運がいいのか、勇者というネームバリューに惹かれてきてるのか。仲間が増えるのはいいことだ。

 マスターが指を指した方向へと足を向ける。

 まあ、なんか出来上がってるかもしらんが、やたら声がでかい気がする。てか、一番ここがでかい。

 そして、そこに見受けられたのは……。

 二十前半ぐらいだろうか、俺よりは上だけど、まだ若い印象を受ける……が、


「なんですでに泥酔状態なんだよ‼︎」


「え〜だれけきたん?」


「わけえな〜飲め飲め」


「飲まん!あんたらなにしに来てんだ!」


「なにしにきて〜?」


「酒場に来てすることといえば〜」


「酒飲んで!」


「騒ぐことスラ!」


 スラ?

 なんかわけの分からん語尾のやつがいる。


「一匹スライムじゃねえか⁉︎てめえに至っては敵キャラだろ!」


「おいおい勇者さんよ。酒場いる以上は皆客だ。モンスターも金払ってくれれば上客だぜ」


 いいのか?そんな管理で。


「えっ?ということは……」


「ここの四人が新しい君の仲間だ」


「そんなんいやじゃー!」


「このご時世、仲間の候補がいるだけマシだと思わなきゃ」


「だったらせめて酔わせないようにしてくださいよ!これじゃ話し合いあったもんじゃない!」


「君も飲むか?」


「ジュースですか〜?ありがとうごさいます〜」


「飲むなー!」


「あーなにするんですかぁ」


 ハレに注がれた酒をひったくって、適当にスライムに飲ませることにする。喜んでるし、無駄にはしてないので、問題はない。


「ほら、お前ら水飲め。もう今日は酒は出さん。悪かったな。明日また出直してくれ」


「なんのために集まったんだ……」


 この調子じゃ、明日になっても忘れてるだろうな。まあ、顔が分かっただけよしとするか。


「あう〜。ローグさーん」


「ちょっ、何やって……って顔赤くないか?」


「ないです〜。とてもおいしいですから飲みましょ〜」


「誰だ!この子に飲ませたやつ!」


 全員して全員違うやつを指している。てめえら、責任の押し付け合いか。


「誰でもいいからとりあえず水もってこい!」


「え〜自分から犯人探ししといてそれはないっすわ〜」


「ないスラ〜」


「うるせえ。黙れ、この飲んだくれどもが。刀のサビになりてえのか?」


「こらこら。ここで揉め事を起こすんじゃない。こいつらはもう外に出すから。ほら、水」


 マスターが手際良く、水を渡して、コントロール良く、スイング式のドアに飲んだくれどもを投げていく。


「ラスト一球!」


 スライムはほぼ、球状のためなのか掴みやすいらしく、そのままどこかへ投げ飛ばされた。

 うん、あいつらクビだな。


「すいません。また貼り直していいですか?あいつら、リストラでお願いします」


「まあ、待て。ロクに話し合いもしてない段階で、やすやすと切っては可哀想だろ」


 今の一件だけで、十分評価できたと思うんだけど、俺だけなの?俺だけがこの状況を許容できてないの?

 しかも、どんくらい飲んだのか分からないけど、ハレは酔いつぶれちゃったし。


「その子はほんとちょびっとだけ舐めただけだぞ。まあ、よっぽど弱いんだな」


「俺にどうしろってんですか。さすがにここまで育った子を担げないですよ」


「勇者さんが今からそんな情けないことでどうする。女の子一人ぐらい背負ってやれ」


 マスターはハレちゃんを軽々と持ち上げると、俺の背中に乗っけた。その衝撃で少しグラついたが、思ったよりかは重くなかったので、そのまま背負うことにする。


「そういえば、マスター。勘定は?」


「あん?……しまった!てめぇら金払ってけ‼︎」


 外に投げ出した3名ほどひっぱたいて起こすと、3人は朦朧とした意識っぽかったけど、割り勘で出していた。一匹はマスターの手によって行方不明なのでしゃーない。


「やっぱり重い……」


 女の子一人背負うのも大変なことだと今更感じることになった。



結局どんな人物が集まったかも分からないまま終わっちゃいましたw

一匹スライム混じってますが、こいつも仲間です。次はちゃんとキャラ紹介といきます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ