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スタティオン  作者: quklop
”fautht” 若かりしあの頃の彼女と冷たい鉄格子
98/120

78 ”ckharlyd”

「こちら嘉賀。

日高、応答せよ。

オーバー」

程なくして日高の溜息が聞こえてきた。

相当疲れてるな、こりゃ。

『はいはい、意外と早かったね。

オーバー』

これまた意味深な言葉だ。

だが、こうやって人を迷わすのはあいつの趣味なので、気にしないことにする。


「めんどくさいから、単刀直入に聞くぞ。

佐上について何を知ってる?」

『それだけ言われても、何のことだかさっぱりだよ』

「清水は佐上が離脱した時に、ちょっと用があるとしか言われなかったらしい。

だが、お前は佐上がアジトの方に戻ると予想した。

お前と清水の差は何だ?」

『ああ、そういうことか。

別に大したことじゃないよ。

ああっと、でもこれ口止めされてるんだったな。

まいっか、言っちゃえ。

桂木についての情報を提供してもらってる時に聞いたんだけれど、彼女は牢の中でちょっと変わった病気になっちゃったみたいでね。

自分の知らない人が入ってくる可能性がある場所にあるトイレ、まあ要するに公共のトイレに入れなくなっちゃったらしい。

一体何があったのやら?

桂木にそういうプレイでもさせられたのかな?』

最後の一言は努めて無視する。


「成る程、それでわざわざアジト迄戻ったのか。

…ん? いや、戻って来てないぞ?」

『そう、そこが謎なんだよね。

なかなか戻ってこないから、京ちゃん達といるのかなと思ったけれど、そうじゃないみたいだ。

まあ、可能性として考えられるのは一つ…』

「帰る途中で捕まった」

『だろうね』


その後日高に矢継ぎ早に質問してわかったことは、佐上が捕まったと仮定して、全く情報が出ていないのは、桂木側が情報統制をしているからだと思われること。

それと、佐上に懸賞金が掛けられているので、捕まって直ぐ殺されるのではなく、情報提供者(これは青田である可能性が高い)に金が届いてから殺されるのだということ。

この二つだ。


あくまで、佐上が捕まっているというのは仮定の話しでしかないが、今はその仮定に縋るしかない。

結局やることはあまり変わらないな。

明日、警備隊本部を急襲する。

そのついでに、佐上を救出しなきゃいけなくなっただけだ。


俺はバックパックを背負い直して、暗くなって来た公園を足早に去った。

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