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スタティオン  作者: quklop
”fautht” 若かりしあの頃の彼女と冷たい鉄格子
75/120

55 ”fanuett”

「と、いうわけで、佐上君の面接及び脱獄体験談により、桂木の居所と弱みがわかった。

基本的にはその弱みを突いていくような作戦になるね」

「居所と弱みか。

具体的には?」


「まずは居所。

世間では国会の隣に自宅を構えてるなんていう風に公表しているけど、そっちは完全にカモフラージュだ。

佐上君の話しによると、警備隊本部の奥の方に住んでる可能性が高いだろうね。

常に守られてなきゃ気が済まない…。

ネガティブな桂木らしい話だね」

やはり桂木のキャラクターは相変わらずらしい。


「弱みの方だけど、これは佐上君そのものだ。

佐上君は経済的活動奨励法の実態を知ってる。

桂木は、面接に合格した企業には甘い蜜を与える代わりに、面接内容について公表することを禁止。

佐上君みたいな人達は即刻その場で死刑にしちゃってるみたいだね。

こうして情報統制を図っていたみたいだけど、佐上君は実態を知った上で政府に対して反対する意思を持ってここに生きている。

つまり、佐上君が見た経済的活動奨励法の実態を、僕らが民衆に公表できれば僕らの勝ちだ。

桂木の信用はガタ落ち。

上手くいけば総理から降ろせる」

「あるんじゃねぇか、作戦」

「今考えた」

「あっそ。

…で、続きは?」


日高がヒュー、と口笛を吹く。

「さっすが京ちゃん。

心得てる。

そう、これだけじゃ駄目なんだよ。

情報が現実を動かすには信憑性が必要だ。

ネットで掲示板に文字を書き込むだけじゃ駄目だ。

例えばそうだね、証拠の動画とかを添えてやると、一気に信憑性は増さない?」

「面接会場に潜入して盗撮か。

危なっかしいな」

「そう、危なっかしいんだよ。

人を集めるのにポスター貼ったりしたから、紅玉の会は今ではそれなりに知名度の高い反政府組織になった。

色々と工作はしたから、ここがバレたりはまずしないだろうけど、監視カメラから顔が割れるくらいはしているかもしれない。

目があったらアウトだね。

他にもネットやマスコミや何やら何まで、リスクが山積みだ。

だから…」

「俺にどうやってリスクを回避するか、考えて欲しいって?」

「そうそう。

頼んだよ、我らがリーダー」

「今は、お前が会長だろうが」


小学生くらいだったか。

ある日日高が、校長はヅラを被っているのか被っていないのかを知りたいと言い出した。

俺たちは必死になって、校長に気づかれずに、校長の髪を引っ張るにはどうしたらいいかを考えた。

こういう時はいつも、ゼロからイチを作り出すのは日高の役目で、俺はそのイチに何かを足したり掛けたりする。

時には引いたり割ったりし過ぎて、酷い言い合いをすることもあった。

それもこれも、全部楽しくて仕方がなかったな。


……今、楽しいか?

「楽しくなってきた」

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