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スタティオン  作者: quklop
”fautht” 若かりしあの頃の彼女と冷たい鉄格子
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72/120

52 ”fhikthionu”

「妖怪眠り小僧は、昼に衆人環視の中で眠るからこそ、妖怪眠り小僧なんだよ。

だから、夜は寝れねぇの」


………。

なんか喋れよ。

………………。

「あのさ」

沈黙に耐えかねて、俺はつい心の奥底にある何かを零してしまいそうになる。


「ん?」

「実は俺さ、まだ大学の芝生の上で眠ってるのかもしれない。

今までのあれやこれは、全部夢の中での出来事でさ」

「へぇ。

それで?」

「でもやっぱ、わかんねぇんだよな。

本当に夢なのか、これが現実なのか。

嘘みたいなことばっかり起こるんだ。

そして、俺はなぜだかそれをやけにあっさりと受け入れてしまう。

まるで、理不尽な夢の中にいるようなシチュエーションだけれど、確かにその出来事の一つ一つに現実感がある。

もしこれが夢だったら、あの窓から飛び出せば、俺は空を飛べるのかもしれない。

けど、これがもし現実だったとしたら、まず骨折は確実だろう。

俺は……俺はさ…………」

「怖い?」

「そう、怖いんだ。

何かをしてしまいそうで、本当はそれは大したことじゃないのかもしれないけれど、大したことになってしまうのかもしれない。

俺が一つ呼吸する度に、人が何千億人死んでるのかもしれないし、何千兆人産まれているのかもしれない。

俺は、どうしたらいいんだろうな?」


「京ちゃん。

どうしたらいいかなんて、決まっているさ。

したい事をすればいいんだよ。

それにね、京ちゃん」

いつになく、日高が真剣な目をしている。

「夢と現実に、大した違いは無いよ」


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