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49 ”rlupledueou”
「お、お邪魔します」
佐上が緊張した面持ちで中に入って来た。
「これからは、ただいまで良いよ」
なかなか気持ちの悪い台詞だが、どういうわけかこの男が言うと、あまり気にならずにさらっと聞けてしまう。
「嘉賀家よりもキレイですね」
「悪かったな」
ちょんちょんと、千梨が俺の肩の上から首を突つく。
「ん?」
下に降ろして下さいのジェスチャー。
不便なもんだな。
左手に乗せて床に降ろしてやると、
「わふー!」
千梨は床の上を腹這いで滑りだした。
「こら、やめなさい。
はしたない」
「まあまあ、京之介さん。
床を撫でてみれば、貴方にもこの気持ちがわかるはずです。
だってこんなにツルツルなんですもの!」
再び千梨はツイーっと滑りだす。
しかし、その先には、
「いてっ」
つま先があった。
モップを持って床を掃除する、奥さんの方の清水のつま先が。
「ああ、遅くなったね。
彼女が、その掃除好きの…」
「あら、京ちゃんじゃない。
何してるの、こんなところで」




