47 ”tarnignpoynutx”
さて、柊の予言によると、俺がここで日高を止めなければ、俺の周りの小さな世界とやらは崩壊する。
いつの間にか、佐上は屋根の上に上がっていた。
「なあ、嘉賀。
お前、言ってたよな。
この国は民主主義だって」
「ああ、言ったな」
「じゃあさ、私は自由なのか?
正しいこと、間違ってること、全部私が…決めていいのか?」
「いいんじゃねぇの?
良くはしらねぇけど。
だってさ、ルールを作るのもルールを破るのも、所詮は同じ人間だろ?」
俺は佐上が行くというのなら、もう止める気は無かった。
まあ日高が強制的に誘拐してくるんだったらちょっとは考えたが。
今、この場の決定は佐上に委ねられている。
「…おい、会長野郎」
「いいねぇ。
できればもうちょっと蔑むような目付きをしてくれると、グレイトだよ」
「ついて行ってやろうかと思ったけど、なんかやだなこいつ」
「確かにこいつはなんかやな要素のオンパレードだが、案外誠実な奴だと思うぜ。
嘘をついたり裏切ったりはしない。
実は昔からの友人だった俺が保証する」
そうだな、柊とかいうポッと出のグラサンなんかより、こいつの方が余程信用はできる。
そう考えよう。
「今初めて聞いたぞ、それ。
まあでもそっか。
お前がそう言うなら大丈夫か。
お前…いいやつだし」
ニィッと笑う佐上。
泣いたり笑ったり、忙しい奴だ。
「会長野郎。
お前が桂木に勝てば、私は店を開けるのか?」
「もちろんだとも。
開き放題にしようじゃないか。
でも、今のままだと勝算は無い。
そこで、留置所からここまで脱走してきた貴方に、僕は是非とも協力を申し出たい」
「利害の一致、だな」
話しは纏まった。
柊の予言を裏切る形になるが、佐上の目を見ると、そんなことはどうでも良くなった。




