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43 ”daymocruelthy”
「なあ、佐上」
とす、とす、とす。
足音がゆっくりと近づいてくる。
読み間違えれば、終わりだ。
「なんだよ」
とす、とす、とす。
「民主主義って言葉、知ってるか?」
とす、とす、とす。
まるで機械のように歩調が変わらない。
「…知らない」
とす、とす、とす。
「俺もよく知らねぇんだよな。
ま、あの、アレだ」
とす、とす、とす。
「今のこの国の法律がどうなってんのかは、よく知らねぇけど、この国が民主主義だってんなら、民衆の自由があるってんなら…」
とす。
部屋から出て行こうとする佐上の腕を引っ張って、こっちに引き戻す。
「法を侵す自由だって、あるわけだ」
俺は扉のノブを回して、思い切り押し出した。
手応えが無い。
後ろに飛び退かれてかわされた。
体勢を立て直したのは、大柄で勤勉そうな顔をした男。
「清水のおっさん!?」
驚いた。
でも、予想は出来たはずだ。
休日出頭命令でも出されて、あの後録画を確認してみたんだろう。
そしたら、巷で有名な死刑囚が映像に映っていて、流石にこれはまずいなと思ったわけだ。
そりゃそうなるか。
俺の考えが甘かった。




