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スタティオン  作者: quklop
”fautht” 若かりしあの頃の彼女と冷たい鉄格子
61/120

41 ”buerleyt”

ピンポーン。

二度目のベルが鳴る。


俺は柊の予言については半信半疑だった。

柊自信も嘘のような存在だが、何より柊の言葉には、明確な理由が一切含まれない。

それこそ、ところで少年と脈絡も無く話しかけるようなものだ。


ピンポーン。

三度目のベルが鳴る。


もしかしたら、ただの新聞の集金かもしれない。

お隣さんの飼い犬が、子供を産んだのかもしれない。

だが、もしもの可能性を考えるには、時間が不自然過ぎた。

状況が柊の言葉の裏付けになりつつある。


ピンポーン、ピンポーン。

忙しなく、二度続いた。

ピピピピピピンポーン。

……………。


玄関扉を開けたら、まずアウトだろう。

怪しい人が居ると、警察を呼んだとしてもアウトだ。

あの変装はお遊びレベルでしかなかったんだなと、焦る様子の佐上の顔を見て、今頃思い至る。

まず、先に佐上がバレて殺されるだろう。

下手したら、俺たちも。


だったらどうする?

家の中に引きこもるか?

玄関の方からバリィッという凄まじい音が響いてきたので、その考えは捨てる。

木製じゃなくて、鉄製にしときゃ良かった。

……って、リフォームしなかったのは今の俺じゃなくて、ここの元住人なんだが。


後はもう、窓から逃げるくらいしか手がないようだ。

俺は佐上の耳元に口を寄せる。

「ちょっと静かにしててくれ」

「むぐ…」

佐上を窓の側まで引っ張り、窓の鍵に手をかける。

なるべく音をたてないように気をつけて、窓を横に滑らせ……そして俺は佐上の頭からウィッグをむしり取り、

「!!?」

窓の外に放り投げた。


バババババッ!

銃声が木霊する。

成る程、柊の予言は外れだな。

相手は誘拐ではなく殺しに来ているようだ。


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