40 ”velru”
佐上はエイダ達と同じ部屋で、布団を引いて寝ている。
流石に中にまで入るのは気が引けたので、俺は部屋の入り口のドアの側に座り込んだ。
大丈夫だ。
寝る時は窓を閉めるようにと、エイダには言ってある。
携帯を開く。
零時七分の表示。
二十五時を一分でも過ぎると、零時になってしまうらしい。
一、二、三。
数を一つづつ数える。
八分になった。
手が汗ばむ。
九分になった。
ガタン!
部屋の方から大きな音が聞こえる。
「!?」
俺はドアノブを回して部屋の中に飛び込んだ。
「痛ぇっ!」
ベッドの隣の一段下に敷かれた布団の上で、佐上が足の爪先を押さえて転がっていた。
ベッドの位置が若干ズレている。
多分寝返りでもうって、足をぶつけたんだろう。
「…ん?
なんなんだよお前、こんな時間に」
若干呂律が回り切っていない声に、肩の力が抜ける。
「そりゃもう、あれしかないだろう。
こんな時間に男が、いたいけな少女の寝床に押しかけたわけだ」
「警備隊呼ぶぞ。
冗談じゃないからな」
「死刑囚が警察呼んでどうすんだよ」
「あ、それもそうか。
成る程やられた…ってそうじゃなくて」
ピンポーン。
呼び出し鈴が鳴る。
携帯電話のディスプレイは零時十分を示していた。




