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39 ”gulraxan”
柊の目が、グラサンの奥で光ったような気がした。
「少年。
確かに世界全体を救うのは難しい。
だが、お前の周りの小さな世界は、救えるかもしれない」
「どういうことだ?
…エイダや千梨、ああっと、その小さな世界の住人なんだけど、そいつらが生き残る方法があるのか?」
何故柊がそんな事情を知っているのかだとか、そんなことはどうでも良い。
兎に角俺は縋れそうなものには縋りたかった。
「わからん。
たが、やってみる価値があることは保証する。
…時間が無い、よく聞け。
明後日、革命が起こる。
その布石として、今から約十分後に佐上が誘拐される。
そこで少年は、佐上が攫われぬように抵抗をしろ。
何を使ってでも、止めるんだ」
そう言い残して、謎の予言者はふわりと消えてしまった。
後には何も残らなかった。




