38 ”des”
あと数日後に世界は滅亡するらしい。
いや、する。
俺に渡された役目は、その世界の滅亡をどうにかすることらしい。
けれど、例え役目を果たせても滅亡を食い止めること自体は出来ず、例えば今この家で寝ている佐上なんかは、まず間違い無く死ぬだろう。
俺はどうやら、役目を果たせば助かるみたいだ。
あの電車の先にある世界を観測し続けろと言われた。
恐らく路線を新しく開拓すれば、前のコーヒーの時のように、また俺はスタティオンに運ばれて、この世界が滅亡する前に次の世界へ行くのだろう。
俺は助かる。
でも、用済み扱いだった千梨とエイダはまず助からないだろう。
俺以外の、今この世界にいるやつは全員死ぬ。
また新しい世界に行けば、新しい千梨やエイダ、佐上や由紀乃や日高とか、あと一応柊なんかと会えるのかもしれない。
ひょっとしたら、あの喫茶店の店長なんかとも。
けれど、それは本当に本当のあいつらなのか?
何かが違うんじゃないのか?
……どうして世界は滅亡するのだろう。
誰かのせいなんだろうか?
わからない。
わからないなら、どうにもならない。
「ところで少年」
「また唐突だな、お前は。
……今、話しかけんなよ」
酷い鼻声だ。
枕元に置いた携帯電話を開く。
小さなディスプレイが、今の時刻が二十五時丁度であることを教えてくれた。
首を傾けて、枕元に立つ柊を見やる。
その頭にパンツは無かった。
「………」
無言、そして無表情。
下手に何かされるよりも、精神に圧がかかる。
「…わあったよ。
話せよ。
また何か教えてくれるんだろ?」




