表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スタティオン  作者: quklop
”fautht” 若かりしあの頃の彼女と冷たい鉄格子
57/120

37 ”kclraiy”

寝付けない。

胸の辺りが苦しい。

原因はわかっている。


何かをしなければいけない。

そんな具体性も質量も無い不安感は、馬鹿げたことに俺に重くのしかかってくる。

そんな不安感を生み出しているのは、紛れもない俺自身だ。


………いいじゃねぇか。

何も出来やしねぇよ。

わかってんだよ。

あの時携帯電話の向こうから伝わってきた世界の様子は、確かな熱と質量を持って俺に殺意を向けた。


『…あつい……どこ?…おにいちゃ…ん……どこ?』

耳元から由紀乃の声が生まれた。

わかってる、幻聴だ。

『あつい…あつい…あ…い…』

幻聴だ。

『あつい』

幻聴だ。

『あつい』

「うるせぇっ!!」


……………。

まるで死んでしまったかのように、声が止んだ。


……………。

耳鳴りがする。

誰かが啜り泣く声が聞こえる。

ああ、この声は聞き覚えがあるな。

なんてったって自分の声だ。

もういい加減聞き飽きた。

だから黙れよ。


…………。

そうして、何の音もしなくなった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ