34 ”catsdaouhg”
そうこうしているうちに、家に着いた。
「で、なんでお前は死刑囚になったんだ?」
夕飯の支度はエイダと千梨に任せて、俺はリビングルームで佐上を尋問していた。
「そのさ、今の総理大臣の桂木ってやつ、いるだろ?」
作り物の毛先をくるくると指に絡めながら、佐上が少し俯く。
「ああ、桂木の野郎がどうした?」
総理大臣様を野郎呼ばわりするのもあまり宜しくないか。
「あいつがふざけた法律作ったのは知ってるよな」
「経済的カツ丼なんたらだっけ?」
「経済的活動奨励法」
「…悪い、詳しく教えてくれ」
「簡単に言っちゃうと、桂木が気にいった企業以外は潰れなさいって法律だ」
「なんだそれ」
「桂木の野郎が、直接企業の代表や店長なんかと面接するんだ。
でも、その面接が酷い」
「どんな風に?」
「ほとんど質問も何もされないで帰される。
私の時は部屋に入った瞬間に帰れって言われた」
「どういうことだよ」
「そのままの意味だ。
あいつ、事前に会社のことを調べておいて、自分の利益になりそうな所だけ通してるんだ」
本当なら酷い話だ。
「で、お前は帰れって言われて、どうした?」
「ふざけんなって言った。
そしたら…」
「死刑囚ってか」
佐上が頷く。




