32 ”fuuwyaurliy”
「じゃーん。
出来上がりなのです。
ほらほら見てくださいよ京之介さん。
かーあいいっ!」
「見るな!」
佐上が顔を手で隠す。
ふわっふわのスカートから伸びる白黒の縞ニーソックス。
様々な装飾があしらわれたブラウス。
裾に近づくにつれ広がっていくシルエットが、なんとも言えないふんわり感を醸し出している。
成る程、一目見て理解できるほど可愛らしい。
でもまだちょっと足りない。
もじゃもじゃで短めの癖っ毛が、何処か男らしいのだ。
「清水。
この店ウィッグ置いてあったよな?」
清水の趣味で、この店ではウィッグも販売している。
それもコスプレイヤーなんかが被る色鮮やかでアニメチックな奴だ。
「こっちよ。
これなんか似合うと思うんだけど」
こうして佐上玲子改造計画は、最終段階に移行した。
今俺は、帰宅している。
右隣りにはおっぱいの大きなハーフの金髪おねいちゃん。
右肩には三つ編みが素敵な妖精さんっぽい何か。
左隣りにはさっきまで黒髪天パだった、赤髪サイドテールのゆるふわ系死刑囚。
俺は………幸せなのだろうか?
世の男性諸君から見れば、まあ、心の底から爆発して欲しくなるような光景だろう。
だが、しかし、何故だろう?
何かが足りない。




