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スタティオン  作者: quklop
”fautht” 若かりしあの頃の彼女と冷たい鉄格子
38/120

18 ”matthl”

「やあ、奇遇だね京ちゃん。

今日はちょいと心霊写真を撮りに来たんだ」

「随分似合わねぇのな、メガネ」

カメラを構えたメガネの男、日高優はちらっとメガネを下げてみせた。


「さっき拾ったんだ。

いいでしょ」

「キョー? 誰だこいつ?」

「…随分親しい人みたいですけど」

さて、こいつを一体どう紹介したもんかと考えているうちに、日高が勝手に自己紹介を始めた。

「やあ可愛いお嬢さん方、こんにちは。

僕は日高優。

ヒダカでも、ニチコーでも、マサルでも、ユウでも、ユーでも、ユウイチでも、ターでも、クリストファーでも、アレクサンドロスでも、好きなように呼んでくれていいよ」


「ま、こういう奴だ。 適当にあしらっとけ。

ところで、今回は一体なんだ?」

こいつが自分から話しかけて来る時は、決まって面倒事も同時に押し掛けてくる。

こいつのせいで、犬一匹を探すために町中駆け回る羽目になったのは記憶に新しい。


日高は飄々とした様子で腰に手を当てて、こっちに身を乗り出した。

「言ったでしょ?心霊写真を撮りに来たって。

心霊写真を、ね。

…はははははっ! 聞いて驚け、京ちゃん。

この近くにね、あいつが居るんだよ」

「あいつ?」

「ははっ、オバケさ。

幽霊さ。

処刑されたはずの佐上玲子が、この近くを生きて彷徨っているんだよ!」


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