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スタティオン  作者: quklop
”fautht” 若かりしあの頃の彼女と冷たい鉄格子
30/120

10 ”neighm”

「命名する!」

「する!」

「ふえっ?」

エイダの部屋のベットでぐっすりと眠っていた彼女が、文字通り飛び起きる。

無理もないだろう。

隣で一緒に眠っていたはずのエイダとついでに俺が、なぜかベットの前で仁王立ちをしているのだから。


「今日からお前は」

「姉は」

「えっ、あっ、はい」

俺はすうっと息を吸い込んだ。

人に名前を付けるってのは、凄い重たいことなんだな。

「お前の名前は、センリだ」


俺はポケットから折りたたみ式の携帯を取り出して、適当なメモ帳アプリに千梨と打ち込んでみせた。

「なまえ…?」

「ああ、そうだ」

「誰の?」

「お前に決まってるだろ?

もう一度言う。

今日からお前は千梨だ」


千梨は口をぽっかりと開けて、それから声をあげて泣き笑いをした。

「センリ、大丈夫?

痛いのか?」

心配そうにエイダが屈み込んで千梨を覗き込む。

「あは、あはは!

ふふふふふ、ああっ…。

…いたい」

「キョー!キューキュー車!」

俺は救急車じゃない。


「はらいたい!

笑わせ殺す気ですか!

私に、こんなちっぽけで、なんにも出来なくて、誰の役にもたてなくて、怖がりで、強がりだけど弱くて、溶けることすら出来なくて、死ぬことすら出来なくて、邪魔ばかりで、昨日だって今日だって、あなたたちに迷惑ばっかりかけてて、でも、こんな小さな体じゃ、フライパンだって持てなくて、こんな、こんなゴミ屑のなり損ないみたいな私に、名前だなんて!!

ほんと、おかしな、こと…」

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