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スタティオン  作者: quklop
”fautht” 若かりしあの頃の彼女と冷たい鉄格子
29/120

9 ”hghylragui”

「ところで、少年」

と、脈絡もへったくれもなく、男は話しを始める。

「一応もう青年と呼ばわれるべき年齢なんだが」

まあ仕方が無いとは思うが、初対面の奴に子供に間違われる度、ウンザリとした気分になる。


「君は知っているか? 三日後に革命が起こることを。

いいや、知るはずも無い。

何故なら君は、知らないのだからな」

「そりゃそうだな。

知らないことは知らねぇよ。

んで、何を知らないって?」

「いいか? 三日後に革命が起こる。

革命が起こるのだ。

少年よ、備えろ。

使える物は使い尽くし、明日と明後日の間に準備を整えよ。

お前の隣にあるその箱を使うのもいいかもしれない」

箱とはパソコンのことなのだろう。


「兎に角、情報を仕入れ体制を整えるのだ。

いいな?」

「はあ、そうかい」

俺に備えろとしつこく警告してくるということは、その革命とやらが何らかの形で俺に関係してくるのだろう。

まあ、なんにしろ、まだ俺はこっちの世界についてほとんど何も知らない。

情報を仕入れるべきではある。

その前にやらなきゃならんことが幾つかあるが。

そのうちの一つを終わらせるとしよう。


「ところでグラサン」

「私はグラサンでは無い。

柊だ」

「んじゃ、柊。

俺がまだ知らないことが、もう一つあるんだ。

どうしてお前は、頭にエイダのパンツを被っているんだ?」

「………」

清々しいまでの真顔である。


「何か、どうしてもそうせざるを得ないような理由があるなら言え。

それは返して貰うが、俺はお前のその変態的行為に目を瞑ってやる。

それが、俺がしっかりと納得できる理由ならな」

一拍おいて、柊は深刻そうな表情でそれを語り始めた。

「私はこうすることで性的にこうふ…」

唸れ! 俺の右腕!!

「なんちゃらかんちゃらスマアァッッシュッ!!!」

「ん"ジャめ"ナ"ア"ァ"ッ!……ゴフ」


奇声をあげ、柊は床に倒れ伏し、そして何故か足の先から透明になっていった。

そうして最後に残ったのは、エイダのパンツだけだった。

一体、何だったんだろう。

虚無感に囚われて、俺は無気力にエイダのパンツを見つめた。


コンコン。

ノックの音。

「キョー入るぞ」

「…ああ」

「キョー、姉、名前付けるべき」

「…ああ」

「私、考えた、これどう?」

「…ああ」

「キョー?」

「…ああ」

「なんで私のプンツがここにある?

なんでお前はそれを見ている?

「…ああ…………全てが虚しいからさ」

エイダのビンタによって現実へと帰ってきた俺は、エイダが精一杯考え出したひっどい名前に、ひとしきり笑い転げた後、例のwebページを閲覧してそれっぽい単語を探す作業に戻った。


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