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スタティオン  作者: quklop
”fautht” 若かりしあの頃の彼女と冷たい鉄格子
23/120

3 ”heial”

「ただいま…」

「…カエレ」

「おかえり、な」

「シッケイした」


形だけの何時ものやり取りを終えたあと、俺はリビングのソファに倒れこんだ。

無理だ。

何もかもが、俺の許容範囲を超えている。

無理だ。

こんな世界に、生きていけそうにない。


そんな気持ちになった時、

「………」

エイダはいつも、何も言わず側にいてくれる。

センサーでも付いているのだろうか?

感情を測れるやつ。


それからどれだけの時間そうしていただろう?

いくらかの時間の後、少し顔をあげると、隣りに座っているエイダは、あの女の子の腕を抱き締めて、目を閉じていた。


「持って来てたのか、それ」

「姉、言っていた」

「そっか」

「少し、喋った。

直ぐ、わかった。

変なやつだった」

「そうなのか?」

「抱きついた、私に。

それで、その後、こう言った。

私と一緒に溶けてくれる人、いて、良かった、ありが、とう、って、笑ってた」


溶けるというのは、あの釜に落ちることを指すのだろう。

事実、彼女は溶けた。

腕だけ残して、たった一人で溶けてしまった。


「私、わからなかった。

溶ける、なんなのか。

その後、機械に、引っ張られて、運ばれて、………」

エイダは、泣いていた。

俺は、隣りに座り直して、エイダの頭を撫でた。

手に、ふわっとした髪の感触が伝わる。

人間のそれとの違いがまるでわからなかった。

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