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11 ”naghl”
いつもなら、暴力で訴える前に言葉で相手を説得しようとするのが、俺のやり方だが、今はそれどころでないことは、やっぱりこれでも状況が飲み込めていない俺でもよくわかる。
怖いとか気持ち悪いとか憎いとか怒りとか、もう滅茶苦茶でわけがわならなくなった。
そういう滅茶苦茶な物が俺の右手に集まるのを、どこか引いた視点での俺が観察していて、ああ、人間って本当にパニックになると、自分の事がよくわかるんだなと、どうでもいいことをくっちゃべっていた。
そうだ。
どうでもいい。
何もかもどうでもいいんだ。
俺があいつを殴ること。
それ以外はどうでもいい。
