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コネクトワールド~俺の脳内異世界が最強すぎるし、次々に進化していっておかしい~1巻完結  作者: 阿良あらと
第三章『終末戦争とランキング戦』

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幕間2~僕の心~


 神代アキラに勝つためにできること。


 ラグナロクで戦えば当然、経験の差で僕が勝つだろう。


(だけど、それでは駄目だ)


 年の差が結果に現れただけだと周囲は言うだろう。

 それでは本当の意味で彼に敗北を突きつけることはできない。


 神代アキラが心の底から「負けた」と認めた瞬間、僕の中から湧き上がる、この捨てたはずの黒い怒りはきっと消えるはずだ。


(そうだ。僕が東雲美沙と先にコネクトすればいい)


 神代アキラが東雲美沙をどう思っているかは知らない。


 それでも僕が先に彼女を手に入れれば、負けを認めざるを得ないだろう。

 当初の目的も果たせるし、一石二鳥だ。


 一つだけ問題があるとすれば、コネクトの枠がもう埋まっていることだった。


「……ん?」


 まるで僕の考えを見計らったかのように、生体デバイスに一件のメッセージが届く。


 開くとそこにはコネクトの枠を“無理やり”増やすための、いくつかの禁忌の方法が記されていた。


 例えば――「コネクトした相手を、殺すこと」。

 神(創造主)からのエネルギー供給を失った異世界は、消え去るしかない。

 必然的に接続していた相手の枠が一つ増える。


(殺しは駄目だ。どう考えても)


 逮捕されればコネクトどころの話ではない。


「………これだ」


 他の方法を見ると一つだけ、手軽ですぐに実行できる方法があった。


『コネクトした相手の異世界を更地になるまで破壊する。システムが相手を“死亡”したと誤認し、接続が強制的に遮断される』


 これしかないと思った。


 この時、僕の脳裏には幼少期に僕の心を好き勝手に弄んだ、あのイジめっ子たちの顔が浮かんでいた。

 彼らは罪悪感など一切感じない、無邪気な顔をしていた。


(そうだ。心はいくら傷つけても死ぬことはない。僕自身がそれをされたんだ。だから僕にも、他人の心を傷つける権利があるはずだ!)


 僕はすぐに鹿島に連絡した。


 彼女は容姿も美しく、異世界も美しい。

 王妃代表として相応しいと心から思っていた。

 ただ一つ欠点があるとすれば、彼女の異世界の住人は平和主義者すぎて――弱すぎる点。


 だから僕は迷わず彼女の異世界を破壊することにした。


 ランキングを上げて東雲美沙から「コネクトしてほしい」と懇願させるためには、必要な犠牲だった。


「やめて! お願い! 本当に大切な世界なの! なんでもするから! 私の現実の身体なら、好きにしていいから!」


 仮想空間で泣き叫ぶ彼女に、僕はどこまでも冷静な言葉をかけた。


「現実の身体は大切にしないと駄目だよ」

「い……いやぁあああああっ!」


 そして僕は、持てる全ての戦力を投入し、彼女の世界へと侵略を開始した。


 武器やアイテム、エネルギーに変換できそうな生物は勿体ないから貰っていこう。


 真っ赤な炎に包まれ、悲鳴が響き渡る鹿島の世界を見て、僕は心の底から「美しい」と思った。

 心の奥底に隠していた本当の価値観が、ゆっくりと膨らんでいく。


 美しかろうが醜かろうが、関係ない。


 “弱ければ、価値などない”。

 ただ、それだけの話だ。


「決着ーーーーっ! 結果的には新条選手の完全勝利となりましたーっ!」


 割れるような歓声が、僕ではなく美しくもない新入生に降り注いでいる。


(……は? なんで負けた? 僕は弱いのか?)


「俺は世界を目指している。こんな雑魚に負ける訳がねぇだろうが」

「しんじょうけんすけぇえええええ! 僕を汚したその罪は! 必ず償わせてやるぞぉおおおおおっ!」


 この時、僕は完全に壊れてしまったのかもしれない。

 “美しさ”の価値観と“強さ”の価値観。

 二つの価値観が頭の中でぐちゃぐちゃになり、歪んだコンクリートのように固まっていく。


 さらに数日後。

 神代アキラがランキング戦で鮮烈なデビューを果たしたという報せが届いた。


 もう後戻りはできない。


「……もっと強くならなきゃ。美しい僕が強くないなんて、矛盾の極みだ。だから、皆――」


 僕は残された王妃達を見つめる。


「―――僕のために、何でもしてくれるよね?」


 ああ、お願いだ。

 こんなに弱く醜い僕を……………救ってくれ。

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