第四話
「智、、、私はね、、、もうあなたとは暮らせないんだ」
「、、、、え?」
俺の中で一瞬時が止まったように感じた
それは、言葉を受け入れられない、いや受け入れたくない脳が思考を停止するほんの少しの時間。
しかし、それは永遠にも思えた。
俺が何も言葉にできずに立ち尽くしてしまっていると、
「あ、でも会えなくなるとかないからね!?そこのところは安心してくれたまえよ!」
姉がフォローを入れてくれた。
ああ、こんなに姉は優しいのに俺は、、、
「、、、、行かないで」
「え?」
「一緒にいられなくなるなんて嫌っ!」
「でもさっきはあんなに応援してくれてて、、、」
「それは、いつも一緒にいられるとおもってたからじゃん!俺、一緒にいらあれなくなるの嫌だよ!」
「私だって寂しいよ、でもこれはアイドルになるために、、」
「そんなのだったらアイドルになんてならないでよ!!!」
俺は姉の言葉を遮り幼い本音を吐き出した後はっと姉の方をみた。
そこには、今にも泣き出しそうな姉の顔があった。
やってしまった。
もうそう思った時には遅く姉はこちらを振り向くことなく
「智影なんてもう知らないっ!」
と自分の部屋に走っていってしまった。
どうして俺は、あんなことを言ってしまったんだろうか
確かに俺は姉のことが好きだ。離れて暮らすのが嫌なほどに。
しかし、それが姉が長年目指してきたアイドルを目指すのを拒む理由になるのだろうか
いや、ならない なっていいはずがない
ようやく、夢を掴めるところまできたんだ
それを応援せずして何がファン1号だ
明日になったら謝ろう
そう心に決めて俺も布団の中に入った